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「父は子の為に隠し、子は父の為に隠す」の意味(出典・故事・対義語)
【ことわざ】
父は子の為に隠し、子は父の為に隠す
【読み方】
ちちはこのためにかくし、こはちちのためにかくす
【意味】
父と子は、どちらかが悪いことをしてもかばい合うのが人情だということ。
誰かがミスしたときでも、家族なら助け合って、かばい合うんやな。これは、人間の情け深さや家族愛の大切さを教えてくれてる言葉やな。
【出典】
「論語」
【故事】
葉の領主が孔子に「私の村に躬というまっすぐな行いをする者があります。その父が羊を盗んだところ、子はこれを訴えたのです」と話した。孔子は「私の村のまっすぐな行いをする者は違っています。父は息子の罪を隠し、息子は父の罪を隠します。不正直のように見えますが、そういう見かけの不正直の中に、本当の正直がこもっているのです」と答えたという。
【対義語】
・直躬父を証す
・父の羊を盗みたるを訴う馬鹿律儀
「父は子の為に隠し、子は父の為に隠す」の解説
「父は子の為に隠し、子は父の為に隠す」は、「論語」という中国の古い哲学の書から出てきた言葉だよ。これは「お父さんと子供は、どちらかが何か悪いことをしたとしても、互いにそれを守り合うことが、人間の本当の愛情だよ」という意味があるんだ。
実はこれ、ある話に出てくる言葉なんだ。ある領主が孔子(こうし)という偉い先生に、自分の村にいるとっても真面目な男性の話をしたんだ。「その人、自分のお父さんが羊を盗んだところを見つけて、そのことを人々に知らせたんだよ」と領主は言ったんだ。
でも孔子は、「うちの村ではそんなことはしないよ。お父さんは子供のために、子供はお父さんのために、もしも悪いことをしたとしてもそれを隠すんだ。それは一見、不正直に見えるかもしれないけど、その中に本当の愛情と正直さがあるんだよ」と答えたんだ。
この話から、「父は子の為に隠し、子は父の為に隠す」っていう言葉が生まれたんだよ。親子の間には深い絆があることを教えてくれる言葉なんだね。
「父は子の為に隠し、子は父の為に隠す」の使い方
「父は子の為に隠し、子は父の為に隠す」の例文
- 父の不正は見なかったことにする。父は子の為に隠し、子は父の為に隠すというからね。
- 父は子の為に隠し、子は父の為に隠すというが、それが本当の優しさなんだろうか。
- 父が飲酒運転で事故を起こしたが、父は子の為に隠し、子は父の為に隠すというから父をかばって虚偽の証言をした。
- 子供の悪事が露見しないようもみ消した。父は子の為に隠し、子は父の為に隠すというが、これが子供のためになるかどうかは分からない。
- 父は子の為に隠し、子は父の為に隠すといい、親子が互いに思いやる気持ちが大事なんだ。