【ことわざ】
虎の尾を踏む
【読み方】
とらのおをふむ
【意味】
極めて危険なことをするたとえ。
【語源・由来】
『易経・履掛』から。
【類義語】
・危うきこと虎の尾を踏むが如し
・危うきこと累卵の如し
・蜘蛛の巣で石を吊る
・氷に座す
・氷を歩む
・重卵より危うし
・深淵に臨んで薄氷を履むが如し
・虎の口へ手を入れる
・薄氷を履むが如し
・竜の頷の珠を取る
・竜の鬚を撫で虎の尾を踏む
・累卵の危うき
・累卵より危うし
・剃刀の刃を渡る
【英語訳】
・tread on a lion’s tail
・take a great risk
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「虎の尾を踏む」の使い方
僕の担任の先生は、化粧のノリが悪いといつも機嫌が悪いんだ。
あら、それは大変ね。今朝はどうだったの?
相変わらず、不機嫌だったよ。虎の尾を踏む思いで恐る恐る話しかけてみたけど、ダメだったよ。
困ったものね。お疲れ様だわ。
「虎の尾を踏む」の例文
- 私の社長はとても恐ろしいので、いつも電話をかける時は虎の尾を踏む思いだ。
- 奴のアジトに忍び込んで、機密情報を盗んだあの日は、まさに虎の尾を踏む心地がしたものである。
- わざわざあの人の逆鱗に触れる様なことを、伝える必要は無いだろう。虎の尾を踏む様な真似はやめておきなさい。
- ハッと気づいた頃にはもう手遅れ、虎の尾を踏むようなことを私は彼女にしでかしていたようだった。
このことわざで連想されるのが「虎の尾を踏む男達」という日本の映画です。1945年制作・1952年に公開された黒澤明監督の映画で、歌舞伎『勧進帳』を題材にした義経・弁慶一行の安宅の関所越えを描いた作品です。黒澤初の時代劇映画でしたが、戦後まもなくであったため検閲により制作から公開までが大幅に遅れ、「未報告の非合法作品」として封じられたという逸話があります。