【故事成語・ことわざ】
有終の美を飾る
【読み方】
ゆうしゅうのびをかざる
【意味】
「有終」は最後をまっとうする、しかっり締めくくるという意味。最後まで物事をやり遂げて、しかも立派に締めくくること。
【語源・由来】
『詩経』の中にある滅びゆく周王朝について述べた部分が元となってできた故事成語。原文は『詩経』大雅・蕩と名付けられた詩です。この詩は全8章で、「有終の美を飾る」はこの第1章の最後に出てきます。ただこの言葉と同じ文字は出てきません。原文の最期にある「鮮克有終」が「有終の美」の元になった言葉です。この歌は西周が滅びようとするのを周の文王に託し、殷の紂王になぞらえて傷み歌ったものとされています。
【類義語】
・掉尾を飾る
【英語訳】
To make up one’s mounth.
bring sth to a successful conclusion
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「有終の美を飾る」の使い方

健太くん、昨日の鈴木選手のゴールを見た?

見たよ。彼は「引退前の最後の試合だから、みんなの記憶に残るような、格好いいゴールを決めます」っていう宣言通り、有終の美を飾るゴールを決めたよね。

宣言通りにゴールができるって、素敵よね。

本当だね。あれは、みんなの記憶どころか、チームの歴史に残るいいゴールだったよ。
「有終の美を飾る」の例文
- この競走を最後に引退することを表明していた三冠馬が圧勝し、見事に有終の美を飾り、大歓声が上がった。
- 引退を宣言した監督の映画は大成功で、歴代興行収入ランキングで二位に圧倒的な差をつけて有終の美を飾った。
- 今日釣った魚は、腕前の確かな料理人の手で有終の美を飾ってもらってから、ありがたくいただくことにしよう。
- 長くアイドルとしてトップの座にいた彼女の引退に際して、有終の美を飾るようなドレスを仕上げようと毎晩徹夜で頑張っている。
- 全盛期は、相撲ファンに感動を与えてきたが、晩年は病気やケガによる休場が多く、最終場所も3日目から途中休場し、有終の美は飾れなかった。
- 彼女は現役最後の試合で有終の美を飾ることが出来て、見事な晴れ晴れしい選手人生であった。
まとめ
有終の美を飾るの語源となる「初め有らざるなし,克く終わりあるは鮮し」は民は最初は善を慕う心をもっているが、善を全うする人は少ないという意味で、そこから転じて物事のし始めはみな立派であるが、その終わりを全うするものは少ない、となった。有終の美を飾ることはとても難しいことだが、有終の美を飾るまで、活躍し続けることもまた難しい。だからこそ、人々はアスリートの有終の美に称賛を惜しまない。