「象は歯有りて以て其の身を焚かる」の意味(語源由来・出典・類義語)
【ことわざ】
象は歯有りて以て其の身を焚かる
ぞうははありてもってそのみをやかる
【意味】
価値がありすぐれたものを持っているために、それが災いを招くということ。
象は歯があるから強くて頼もしいけど、その歯が原因で身を焚く(災いを招く)ことがあるんや。これは、持っているものや才能のせいで災難にあうことを教えてくれる言葉やな。
【語源・由来】
貴重とされる象牙があるために象は人に殺されることから。
【出典】
「春秋左氏伝」
【類義語】
・孔雀は羽ゆえに人に捕らる
・甘井先に竭く
・膏燭は明を以て自ら鑠す
「象は歯有りて以て其の身を焚かる」の解説
「象は歯有りて以て其の身を焚かる」ということわざは、「持っている価値あるものがかえって災いの原因になる」という意味を持っている言葉だね。このことわざの中で象が象牙を持っていることが、その災いの原因になっているという状況が例として挙げられているんだ。
象牙は非常に貴重なものとされ、長い間、装飾品や芸術品の材料として高く評価されてきた。しかし、この貴重さが原因で、象は狩猟の対象になり、結果的に命を落とすことが多くなるんだ。このことわざは、そうした象の悲しい運命を象徴していて、持っているものが価値があるほど、それが自分にとって不幸や災難を招く可能性があるという皮肉な事実を表しているんだ。
「焚かる」という言葉は、「焚す」とも言い、ここでは自らの身を危険にさらす、つまり自分の身を災いに陥れるという意味で使われているよ。このことわざは、すぐれたものや価値あるものを持つことが、必ずしも良い結果につながるわけではないという教訓を含んでいるんだね。
「象は歯有りて以て其の身を焚かる」の使い方
「象は歯有りて以て其の身を焚かる」の例文
- 楊貴妃の鼻がもう少し低かったら長生きできたかもしれない。象は歯有りて以て其の身を焚かるように、美しすぎた故に長く生きられなかった。
- 天才的な画家ほど感受性が強く、象は歯有りて以て其の身を焚かれ、若くして亡くなる。
- 健太くんは大富豪の息子なので、象は歯有りて以て其の身を焚かるごとくよく誘拐される。
- 彼のハッキング能力はピカ一なので、象は歯有りて以て其の身を焚かるように世界中から命を狙われている。
- 才能がある人には、一般人向けのこの世の中が生きづらく、象は歯有りて以て其の身を焚かるように身を滅ぼす。