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【年寄りの冷や水】の意味と使い方や例文(語源由来・類義語・英語訳)

年寄りの冷や水

「年寄りの冷や水」の意味(語源由来・類義語・英語訳)

意味

【ことわざ】
年寄りの冷や水

「冷や水」は「冷水」と表すこともあります。

【読み方】
としよりのひやみず

【意味】
高齢者なのに不相応な、危ないことや差し出た振る舞いをする事。自分の年齢も考えずに無茶をすることは健康に良くないという事。

ことわざ博士
「年寄りの冷や水」ということわざは、年配の人が若さにふさわしくない行動を取ることを指すよ。

それは多くの場合、無理をしてしまったり、場違いな行動をしたりすることを意味するよ。

助手ねこ
つまり、年寄りが無理に若い人のように振る舞ったり、危険なことをしたりすることやな。

体を壊したり、周りに迷惑をかけたりするから、年相応の行動をするのが大事なんやで。

【語源由来】
老人が強がって、冷たい水を浴びたり飲んだりして、無理をした言動から。

一説によると、ここでいう「冷や水」とは隅田川から汲んできた水の事だそうです。江戸時代当時の飲料水は必ず煮沸してから飲まれていましたが、「河の真ん中の水は毒が無い」という迷信が流行ったばかりに、「冷や水」と称された隅田川の生水が販売されるようになったのです。若い人々は免疫力も高く問題なく飲めたそうですが、老体には応えたようで高齢者でお腹を壊す人が続出した事から、このことわざが広まったといわれています。

【類義語】
・老いの木登り
・ずくなしの冷や水
・年寄りの力自慢
・年寄りの夜歩き

【英語訳】
・too old to cut the mustard.

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「年寄りの冷や水」の解説

カンタン!解説
解説

「年寄りの冷や水」っていうことわざは、おじいちゃんやおばあちゃんが強がって無理することを指すんだよ。高齢者が年齢に合わない行動をする、って意味なんだ。

で、「冷や水」っていうのは、文字通り冷たい水のことだけど、普通の水じゃないんだよ。これは、昔の江戸時代に隅田川の真ん中からすくってきた水で、水売りっていう人が売ってた水なんだ。

夏になると、「隅田川の水は真ん中がキレイだよ」といって、バケツに冷たい水を入れて、杉の葉で囲み、小さな氷を浮かべて、「冷や水だよ、冷や水だよ」って言いながら売り歩いてたんだ。

でもね、この「冷や水」、隅田川の水だから、それほどキレイじゃなくて、若者ならまだしも、体の抵抗力が弱くなった年寄りが飲むと、お腹を壊すことが多かったんだよ。それを見て、年寄りが無理をして冷たい水を飲むなんて、もっと自分の体を大切にしなきゃいけないよね、っていう意味で「年寄りの冷や水」っていう比喩が生まれたんだよ。

「年寄りの冷や水」の使い方

ともこ
昨日の運動会は、とても楽しかったね。
健太
色んな競技をやって、とても盛り上がってよかったよね。
ともこ
なかでも担任の先生達が走った、「教員リレー」は見物だったわね。
健太
そういえば、1組の先生は足を捻挫したそうだよ。あんなにはりきっていたのに、かわいそうに。まさに年寄りの冷や水ってところだね。
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「年寄りの冷や水」の例文

例文
  1. 年寄りの冷や水だといって、おじいさんの指導を一概に無視するのはどうかと思うよ。
  2. 祖父がぼくと一緒に全力でかけっこしたら転び、けがをした。「年寄りの冷や水なんだから」と母におこられていた。
  3. 30歳年下の彼女に恋をした彼は、年寄りの冷や水だがいつもめかしこんでいる。
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「年寄りの冷や水」を深掘り

深掘り

「年寄りの冷や水」という言葉は、高齢者が持つ頑固な考えや過激な意見を指して使われることが多い日本のことわざです。そして、現代の調査によって、このことわざが科学的な根拠を持っていることが明らかになっています。

慶應義塾大学の田中辰雄と富士通総研経済研究所の浜屋敏が行った富士通総研の調査によれば、高齢者ほど過激な政治的な意見を持っていることが判明しました。

さまざまな政治的テーマについての賛否を尋ねた結果、年齢が高い人ほど過激な意見を持っていることが確認されました。これは、歳を重ねることが、一般的に思われているように、人々の意見を過激化させる主要な原因であることを示唆しています。

また、現代社会でよく言われる「ネットが人々の意見を過激化させる」という仮説についても、この調査は反証を示しています。

若い人たちがインターネットでさまざまな意見に触れているにも関わらず、彼らが過激な意見に振れるという傾向は見られませんでした。これは、インターネットが意見の分極化を引き起こすという一般的な信念とは異なる結果です。

さらに、この傾向は日本だけでなく、アメリカでも確認されています。アメリカの調査(2017年)では、分極化が最も顕著に見られるのは、65歳以上でインターネットを使用していない層であることが明らかになっています。

これは、新しい情報や意見に触れることが、人々の考え方を柔軟に保つのに役立つということを示しています。

というのも、新しいものや情報に触れると、我々の脳はそれを報酬と関連付け、活性化します。反対に、新しい刺激が少ない状況では、脳は「最適化」というプロセスを通じて、特定の行為や考え方に固定化される可能性が高まります。

これが、高齢者の中に見られる「自分が正しい」という過激な考え方や頑固な態度の背後にある科学的なメカニズムであると考えられます。

結論として、歳を重ねること自体が、人々の意見を過激化させる原因であることが示唆されています。そのため、歳を重ねる過程で新しい情報や意見に触れ続けることは、過激な意見や行動を避ける上で非常に重要であると言えます。

参考文献
このことわざ、科学的に立証されているんです | 堀田 秀吾





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