「鳩が豆鉄砲を食ったよう」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
鳩が豆鉄砲を食ったよう
【読み方】
はとがまめでっぽうをくったよう
【意味】
突然の出来事に驚いて、あっけにとられてきょとんとしている様子のたとえ。
そんな「きょとんとした」状態が、まさに「鳩が豆鉄砲を食ったよう」ってわけやね。人も動物も、意外なことには同じように反応するんやな。
【語源・由来】
まるで鳩が豆鉄砲で撃たれてびっくりしているようだということから。「豆鉄砲」とは、豆を弾として撃つ、竹でできた小さいおもちゃの鉄砲。
【類義語】
・鳩に豆鉄砲
【英語訳】
Like a (dying) duck in thunder (or a thunderstorm).
「鳩が豆鉄砲を食ったよう」の解説
「鳩が豆鉄砲を食ったよう」という言葉は、予期せぬ出来事や驚きに直面した時に、呆然として反応できない様子を表すたとえ話だよ。豆鉄砲とは、昔遊びで使われた小さな鉄砲のことで、豆を弾丸として使っていたんだ。この表現では、そんな豆鉄砲で撃たれた鳩が驚いて固まってしまう様子を想像しているんだ。
例えば、突然のサプライズや思いがけないニュースを聞いた時、人は言葉を失ってしばらく反応できなくなることがあるよね。その時の人の表情や様子が、まるで鳩が豆鉄砲で撃たれたかのようにきょとんとしていることから、この表現が使われるんだ。
「鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする」と言うと、その人がどれだけ驚いているかを、とても分かりやすく伝えることができるんだよ。
「鳩が豆鉄砲を食ったよう」の使い方
私の恋人よ。
「鳩が豆鉄砲を食ったよう」の例文
- 上司に急に怒鳴られた彼は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。
- サプライズパーティーに驚いた彼女は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていてとても微笑ましかった。
- 電話を受けた途端に、彼女は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたけれど、ものすごい剣幕のクレームの電話だったらしい。
- 彼はどうやら後輩に彼氏がいないと思っていたようで、思いを寄せていたけれど、実は結婚していると聞いて鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。
- 鳩が豆鉄砲を食ったような顔で驚く様子を見て、みんなが笑った。
「鳩が豆鉄砲を食ったよう」を深掘り
「鳩が豆鉄砲を食ったよう」ということわざは、突然の出来事や驚きを示す言葉です。
かつての『小学唱歌』(明治44年)に「ぽっぽっ ぽ、鳩ぽっぽ、豆がほしいか、そらやるぞ」という歌詞がありました。
これは、鳩(ハト)がマメを好物としていることを示しています。鳩はマメが大好きなため、豆鉄砲で発射されるマメのようなものが飛んでくると、驚いて目を丸くすることから、この表現が生まれました。
豆鉄砲とは、子供のおもちゃで、手作りのものでした。竹筒に溝をあけ、その弾力を利用してマメ粒を発射する仕組みになっていました。江戸時代中期の玩具画集『江都二色』にも、この豆鉄砲が描かれており、昔から子供たちが楽しんでいたものであることがわかります。
子供たちの遊びとして、さまざまな仕組みの鉄砲玩具が存在していました。例えば、杉鉄砲とは、細い竹の管に杉の芽や紙つぶてを詰め、空気の反発力で発射する玩具でした。また、山吹鉄砲は、ヤマブキの茎の管を使用し、紙つぶてを発射するものでした。
明治以後、玩具の商品化や金属製の玩具の普及により、これらの竹製のおもちゃは少なくなり、現代のモデルガンなどに取って代わられました。
なお、女の子の遊びとして、マメ、特にアズキを使用した「お手玉」という遊びも存在していました。お手玉は、布で袋を作り、中にアズキや他の実を詰め、手で投げて遊ぶもので、日本の歴史においても古くから親しまれていました。
このように、「鳩が豆鉄砲を食ったよう」ということわざは、鳩の驚きの様子と、子供たちの遊びである豆鉄砲との関連から生まれたものであることが理解できます。
参考文献
植物ことわざ事典 | 足田 輝一
まるで鳩が豆鉄砲を撃たれたかのように、突然のことに反応できずにポカンとしてしまう状態を言うんだよ。