「黍離の嘆」の意味(語源由来・出典・類義語)
【ことわざ】
黍離の嘆
【読み方】
しょりのたん
【意味】
かつての都や故郷の荒廃した有り様を見て嘆くこと。
昔の繁栄が今は影を潜めてるところに対する悲しみや感傷を示してるんや。変わりゆく時の流れや、それに伴う変化の哀しさを教えてくれる言葉やな。昔の栄光と今の寂しさの対比が、人の心に深く響くんやな。
【語源・由来】
「黍離」は、「詩経」の詩篇の名で、東周の大夫が作った詩とされる。西周が滅び都を東の洛陽に移した後、旧臣がかつての都を通った時、城跡は耕され黍畑になっていたのを見て嘆いたという。
【出典】
「詩経」
【類義語】
・麦秀の嘆
「黍離の嘆」の解説
「黍離の嘆」という表現は、かつて栄えていたが現在は荒廃してしまった町や状況に対する悲しみや嘆きを表しているんだ。この言葉は『詩経』の「王風」に収録されている「黍離」という詩から来ているんだね。
この詩は紀元前770年、周王朝が異民族の侵入を受けて、都を鎬京(現在の陝西省西安市付近)から洛邑(現在の河南省洛陽市)へ移した後に作られたものだよ。周王朝のある貴族が元の都であった鎬京を訪れた際、かつての王宮がキビの畑に変わっているのを見て、その変わりようを詠んだ詩なんだ。「彼の黍、離離たり」という一節は、その場所にキビが実っている様子を描写していて、時代の変化と荒廃した状況を嘆いているんだ。
「黍離の嘆」という言葉は、時間の経過とともに起こる変化、特にかつての栄光が失われたことに対する感慨深い悲しみを表しているんだ。つまり、過ぎ去った栄華と現在の荒廃との対比を通じて、時の流れの中で起こる変化の悲哀を表現しているんだね。
「黍離の嘆」の使い方
「黍離の嘆」の例文
- 地震のあとがれきを撤去した町を見て、黍離の嘆を抱く。
- 戦争のせいで滅びた故郷を見て、黍離の嘆を覚える。
- 面影すら残っていない思い出の地を見て、黍離の嘆にくれる。
- ダムの底に沈んだ村を思い、黍離の嘆を感じる。
- 火山の噴火で祖国が死の土地となってしまい、黍離の嘆を覚えた。
時の流れや変化によって繁栄が失われた場所に対する感傷や哀愁を表現している言葉なんだ。