「五十歩百歩」の意味(故事・出典・類義語)
【ことわざ】
五十歩百歩
【読み方】
ごじっぽひゃっぽ
【意味】
少しの違いはあることはあるが、本質的には同じことだという。
例えば、「あのパン屋さんのアンパンとカレーパンはどちらも美味しい。五十歩百歩だ。」という使い方は間違いになるから気をつけなあかんな。
【故事】
「孟子・梁恵王上」から。戦争のとき、五十歩退却した兵が百歩逃げた兵を臆病だと笑ったが、逃げたことに変わりはないことから。
【出典】
「孟子・梁恵王上」
【類義語】
・五十歩を以て百歩を笑う
・一寸法師の背比べ
・猿の尻笑い
・大同小異
・どんぐりの背比べ
・似たり寄ったり
・目糞鼻糞を笑う
「五十歩百歩」の解説
「五十歩百歩」の由来は、昔の中国の賢人、孟子と梁の恵王との間の話から来ているんだよ。
恵王は自分の国が良い政治を行っているのに、隣の国と人口があまり変わらないことについて、なぜだか理由を孟子に尋ねたんだ。そのとき、孟子は「戦場で50歩逃げた者が、100歩逃げた者を臆病者と笑ったらどう思いますか?」と聞いたんだよ。
恵王は、「どちらも逃げたことには変わりない」と答えた。すると、孟子は、「王の言う国民のための良い政治も、隣の国とあまり変わらない」と答えたんだ。
この話から、「五十歩百歩」は「違うように見えても、実際はほとんど同じだ」という意味で使われるようになったんだよ。
「五十歩百歩」の使い方
「五十歩百歩」の例文
- ありがちな筋を短く曖昧にしゃべったが、 一部始終を話したところで、どうせ他人には五十歩百歩の事情である。
- 人を見た眼で判断してはいけないというが、才能によつて判断するというのも五十歩百歩のことである。
- 洋上であれば、私にとっては太平洋であろうが、パナマ沖であろが五十歩百歩なのです。
- 大編成のオーケストラのエネルギーを再現できぬのなら、しょせんはどのオーディオを買っても、五十歩百歩である。
- 各々の文化に、それぞれの癖がある点ではおたがいさま、五十歩百歩であろう。
【注意!】間違った例文
❌「あのパン屋さんのアンパンとカレーパンはどちらも美味しい。五十歩百歩だ。」
「五十歩百歩」を英語で言うと?
「五十歩百歩」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
As good twenty as nineteen.
- 直訳:二十も十九も似たようなもの。
Six of one and half a dozen of the other.
- 直訳:一方の6つと、もう一方の半ダース。
- 意味:大差なく、本質的には同じである。
- 用語:dozen:ダース(12個)
A miss is as good as a mile.
- 直訳:一つのミスは1マイルと同じである。
- 意味:大差なく、本質的には同じである。
The pot calling the kettle black.
- 直訳:鍋がやかんを黒いと言う。
- 意味:自分の欠点には気づかないで、似たような人の欠点をあざ笑うこと。
- 用語:pot:鍋 / kettle:やかん