「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
死せる孔明、生ける仲達を走らす
【読み方】
しせるこうめい、いけるちゅうたつをはしらす
【意味】
亡くなったあとでも、生前のままの威力が保たれていて、生きている者を恐れ、震え上がらせることのたとえ。
これは、「人の威光や影響力は、生きてる時だけやなく、死んだ後も続くことがある」ってことを教えてくれてるんやな。ええ話やわ。
【語源・由来】
出典は「蜀志(しょくし)」です。三国志の時代「蜀」の名将諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)が、「魏(ぎ)」の司馬仲達(しばちゅうたつ)と対戦中に、五丈原(ごじょうげん)で病死します。「孔明死す。」の情報を得た仲達はすぐさま攻撃を開始しようとしますが、蜀の軍は孔明の生前の指示にしたがい反撃の姿勢を見せます。これを見た仲達は「孔明死す。」とは自分を欺(あざむ)く計略だと思い込み攻撃するのを中止して、戦場を捨て退却したという話から。
【英語訳】
英語の本などでは A dead Zhuge scares away a living Zhongda. (死諸葛嚇走活仲達) という英語訳があります。
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の解説
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」っていう話はね、すごく有名な軍のリーダー、孔明さんが亡くなってしまったけれど、そのすごさや影響力は死んだ後もずっと残っていて、敵の大将、仲達さんでさえも、孔明さんを怖がって逃げ出すほどだったっていう話なんだよ。
昔の中国での戦争の話なんだけど、孔明さんがいた「蜀」という国と「魏」という国が戦っていたんだ。孔明さんは「蜀」のとても賢いリーダーだったけれど、戦争の最中に病気で亡くなってしまったの。でも、孔明さんの部下たちは、孔明さんが亡くなったことを隠して、軍を引っ込め始めたんだ。
それを見た「魏」の大将、仲達さんは「これはチャンス!」と思って、追いかけようとしたんだけど、孔明さんの部下たちがすごくしっかりとした陣形を作って反撃する準備をしているように見えたから、仲達さんは「やばい、これは孔明さんの罠かもしれない」と思って、攻撃するのをやめて逃げ出したんだよ。
そうしたらね、人々は「孔明さんはもう亡くなっているのに、仲達さんはまだ生きているのに、孔明さんを怖がって逃げ出したんだ」と言い始めたんだ。それで、この話は「死んだ後も人々に影響を与え続けることができるんだよ」という意味を持っているとされているんだね。
つまり、この話は「一度築いた信頼や威光は、その人が亡くなった後もずっと残り続けるんだよ」という教訓を教えてくれているんだ。
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の使い方
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の例文
- 先代の遺訓(いくん)は未だに守らています。死せる孔明、生ける仲達を走らすというように絶対的なものです。
- 取引先の情報をもう一度よく分析しましょう。死せる孔明、生ける仲達を走らすということならないようにしましょう。
- 海外投資で失敗したのは、死せる孔明、生ける仲達を走らすじゃないが、いると思っていた孔明が実は最初っからいなかったからだな。
- 死せる孔明、生ける仲達を走らすというほどの実力を持ちたいものです。
まとめ
三国志演義(さんごくしえんぎ)では脚色(きゃくしょく)されているものの有名な場面です。司馬懿(しばい)、字(あざな)は仲達、諸葛亮孔明のライバルとして、歴史上の評価はあまり良いものではないようです。この故事が生まれた背景にもそれがあるのかもしれません。