【ことわざ】
児孫のために美田を買わず
【読み方】
じそんのためにびでんをかわず
【意味】
子孫のために財産を残すと、かえって良い結果にならないことから、そうしないこと。
【語源・由来】
西郷隆盛の詩「偶成(ぐうせい)」の一節、「一家の遺事人知るや否や、児孫の為に美田を買わず」から。
「偶成(ぐうせい)」の書き下し文では、「幾たびか辛酸(しんさん)を歴(へ)て志(こころざし)始めて堅し、丈夫(じょうぶ)玉碎(ぎょくさい)すとも甎全(せんぜん)を恥づ。我が家の遺法(いほう)人知るや否や、兒孫の爲に美田を買はず。」=意訳の一例です。「何度も苦労する経験をして、はじめて意志は固くなる、男児はたとえ死ぬことがわかっていても、わが身の安全を優先することを恥とするものだ。人は我が家の遺訓を知らないと思うが、孫や子のために立派な田んぼは買わない。」
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「児孫のために美田を買わず」の使い方

上級生が作った町の歴史資料を捨てるらしいよ。

あの資料があれば来年僕たち楽できるのにね。

児孫のために美田を買わずと同じよ。私たちの勉強に期待しているのよ。

なるほど。でも楽な方がいいかも。
「児孫のために美田を買わず」の例文
- 財産は残さないことにしています。児孫のために美田を買わずほどのものではありませんが、子供たちに無用な争いをさせたくないからです。
- 先代の社長が偉かった、児孫のために美田を買わず。会社の資産を全部整理したことが後を継いだ息子さんを奮起(ふんき)させたのです。
- 児孫のために美田を買わずとかっこよく言ってみたいけど、その前に美田を買うことができません。
- ある程度の財産をもっている人で、児孫のために美田を買わずということを実行できる人が何人いるでしょうか。
まとめ
昔は二代目、三代目が放蕩(ほうとう)して会社を倒産させてしまうといわれてました。現在では創業者は児孫のために美田を買わず、後継者育成のために努力してきたはずです。それでも同じような倒産の報道に触れると、原因は別なところにあるように感じます。時代の流れ、技術の進歩、社会のシステムの変化のスピードについていけない、決断力の欠如にあるように写ります。