「万緑叢中紅一点」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
万緑叢中紅一点
【読み方】
ばんりょくそうちゅうこういってん
【意味】
「万緑」は、見渡す限り一面の緑の意味。「叢中」は、くさむらの中の意味。一面緑のくさむらに、ただ一輪紅い花が美しく咲き誇っているさま。転じて、多くの男性の中、ただ一人目立つ女性のこと。また一般に広く、衆目をあつめる美人をたとえる。略して、「紅一点」ともいう。
例えば、たくさんの仕事の中で一つだけ異なるアイデアを出したり、みんなと違う特技を持っている人を表すのに使える言葉やな。
【語源・由来】
「王安石」の詩「石榴を詠ず」に「万緑叢中紅一点、人を動かすに春色多きを須いず」とあるのに基づく。
【類義語】
・鶏群の一鶴
・紅一点
・掃き溜めに鶴
【英語訳】
one red flower standing out in a sea of green vegetation
one item of quality standing out among many
one woman among many men
「万緑叢中紅一点」の解説
「万緑叢中紅一点」という表現は、周りがすべて緑色の中で赤い花が一輪だけ際立っている様子を表しているんだ。この言葉は、元々は王安石の「詠柘榴詩」に由来していて、文字通りには新緑の中の赤い花の美しさを詠んだものなんだよ。
この表現は二つの意味で使われることがあるんだ。
- 多くの男性の中に一人だけいる女性を指す場合。これは「紅一点」とも言われるんだけど、その女性が特に目立つという意味があるよ。たとえば、ほとんどが男性の職場や集まりに一人だけ女性がいる状況を表すのに使われるんだ。
- 一般的に、何かが群れの中で際立っている状況を指す場合。たくさんの似たようなものの中で、一つだけ全く異なる特徴を持っていて目立っているものを指すんだ。これは、人だけでなく物事全般に適用されるよ。
「万緑叢中紅一点」は、周りとは異なる特徴がある人や物が、どのようにしても際立って見えるという美しいイメージを持つ表現なんだね。
「万緑叢中紅一点」の使い方
「万緑叢中紅一点」の例文
- 刑事課の中では万緑叢中紅一点の彼女は、ちやほやされるどころか、男性諸君から恐れ敬われている。
- 政治記者である彼女は万緑叢中紅一点であるので、みんなが気を使ってくれるが、彼女はそれを嫌い対等に扱ってほしいと思っている。
- この病院内で万緑叢中紅一点の彼女は、近所のおじいちゃんの人気者で、彼らは病気でもないのに何かと用事を作って集まってくる。
- 男子校の教員で、万緑叢中紅一点の彼女は、生徒からも教員からも一挙手一投足、注目を集めていた。
- 万緑叢中紅一点の彼女は、一般的な男性より力持ちなのでみんなから頼りにされている。
二つ目は、多くのものの中でただ一つだけ際立って目立つものがあるという状況を表しているんだ。どちらの場合も、その一点が他とは異なり、特に目立つということを強調しているんだよ。