「母ありて一子寒く母去りて三子寒し」の意味(出典・故事)
【ことわざ】
母ありて一子寒く母去りて三子寒し
【読み方】
ははありていっしさむくははさりてさんしさむし
【意味】
継母のせいで寒い思いをするのは継子一人だが、継母が家を出ると継母の実子二人と継子の三人が寒い思いをするということ。
継母がいるから継子だけが寒く、いなくなると三人の子ども全員が寒い思いをするっていうのは、家族の中でのそれぞれの役割や大切さを示してるんやな。人の価値や重要性は、いなくなってみないと分からないものやってことや。
【出典】
「蒙求」
【故事】
孔子の弟子の閔子鶱は、継母に二人の子が生まれると、冬でも単衣を着せられ虐待された。しかし、父がそのことを知り怒り、継母を家から追い出そうとしたとき、「母在せば一子寒え、母去れば三子単ならん」と言っていさめたので、父は思いとどまり、継母もその言葉に感動し反省したという。
「母ありて一子寒く母去りて三子寒し」の解説
「母ありて一子寒く母去りて三子寒し」は、継母が関わる家庭の複雑な状況を示すことわざで、以下のような意味が込められているんだ。
最初の部分、「母ありて一子寒く」は、継母が家庭にいるとき、継子一人だけが寒い思いをするという状況を表しているよ。継母は自分の実子は優遇して、継子には不利な扱いをするから、継子が寒さを感じるんだ。
後半の「母去りて三子寒し」は、継母が家庭を去った後の状況を表しているよ。継母が家を出ると、継子だけでなく、継母の実子たちも寒い思いをするということを意味しているんだ。継母が家を出たことで、家庭の経済的な状況が悪化し、全員が寒さを感じることになるんだ。
このことわざは、継母と継子の関係において、継母の偏った対応や家庭内の複雑な事情を示しているんだよ。また、一見平等に見える状況でも、実際には異なる扱いを受けることがあることを警告しているんだ。
「母ありて一子寒く母去りて三子寒し」の使い方
「母ありて一子寒く母去りて三子寒し」の例文
- 母ありて一子寒く母去りて三子寒しというが、ここまで虐待を放っておいた父親が一番悪いじゃないか。
- 義理の母がいることで僕は窮屈な思いをするが、母ありて一子寒く母去りて三子寒しというように、義理の母がいなくなると被害者が増える。義理の母は居た方が家庭の為だから、僕だけ我慢すればいい話だ。
- 児童相談所や警察に虐待の相談をしたいが、義母が捕まって母ありて一子寒く母去りて三子寒しとなるなら相談できないな。
- シンデレラは、母ありて一子寒く母去りて三子寒しと考えていじめに耐えていたんだろうな。
- 継母のやっていることは虐待だが、母ありて一子寒く母去りて三子寒しというし、継母がいないともっと困った状況になる。
継母がいる家庭では、継子が冷たい扱いを受けるという状況を表しているんだ。しかし、その継母が家を去ると、今度は継母の実の子どもたちも含めた三人の子どもがみな寒い思いをするようになる、という意味があるんだ。