「贔屓の引き倒し」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
贔屓の引き倒し
【読み方】
ひいきのひきたおし
【意味】
贔屓にしすぎたことで、その人を不利にしてしまうことのたとえ。
あんまり一人を贔屓しすぎると、その人にとっても良くない状況を作っちゃうかもしれへんね。ちょうどいい加減って大事やな。
【語源・由来】
気に入っている人を、より引き立てようと力を入れすぎ、引き倒してしまうということが由来。
【類義語】
・甲張り強くして家押し倒す
・寵愛昂じて尼になす(ちょうあいこうじてあまになす)
・過ぎたるは猶及ばざるが如し(すぎたるはなおおよばざるがごとし)
【英語訳】
To kill with kindness.
「贔屓の引き倒し」の解説
「贔屓の引き倒し」という言葉は、誰かを特別に好むことが行き過ぎて、かえってその人にとって不利益や迷惑をもたらす状況を表しているんだ。つまり、あまりにも一方的に支援や応援をすることで、その人の成長を妨げたり、他の人との関係が悪化するような事態を引き起こすことがあるんだよ。
この表現は、親が子供を甘やかすことが子供の自立を阻んだり、職場での過度のひいきが他の従業員の士気を下げたりする場合に使われることが多い。また、贔屓が原因で不公平感を感じる人々が生じ、組織全体の調和が乱れることもあるんだ。
たとえば、スポーツチームでコーチが特定の選手を贔屓して、他の選手に十分なプレイ時間を与えない場合、その選手は短期的には満足かもしれないけど、長期的にはチームワークの損失や他の選手からの信頼を失うことにつながる。これが「贔屓の引き倒し」の典型的な例だね。
この言葉は、支援や愛情が適切な範囲を超えたときの弊害を戒めるために使われることがあって、公平性やバランスの重要性を教えてくれるんだ。
「贔屓の引き倒し」の使い方
「贔屓の引き倒し」の例文
- 今年の新入社員の中で優秀な人がいると、上司がとても大切にしているけれど、このままでは贔屓の引き倒しになる。
- 彼は今日の試合で見事なシュートを決めたけれど、監督がいつまでもそんなに褒めていては贔屓の引き倒しだ。
- 君はあの後輩のことを気に入っているのはいいけれど、贔屓の引き倒しになってしまっては元も子もない。
- 母は兄のためというけれど、それほど手をかけていては贔屓の引き倒しになってしまいそうで兄のことが心配だ。
- 先生があの生徒のことをとても褒めているせいで、贔屓の引き倒しになって周りの反感を買うだろう。
まとめ
気に入った相手に対して、特別に扱いたいと思うことはあるのではないでしょうか。
相手を思い大切にすることは、よいことですね。
しかし大切にしようとしすぎて、特別扱いが度をすぎてしまうことで、相手のためにならなくなってしまったり、周りから反感を買ってしまったりして、贔屓の引き倒しにならないように気を付けなければなりませんね。
これは、好意が行き過ぎてしまうことの弊害を警告している表現で、ひいきが度を超えると害になることを教えているね。