「乗り掛かった船」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
乗り掛かった船
【読み方】
のりかかったふね
【意味】
一度関わった事、一度始めた事は、途中で止めるわけにはいかないという意味です。
これは、物事を始めたら、どんなに大変でも最後まで責任を持って終わらせなあかんってことを教えてくれてるんやな。途中で諦めずに、最後まで頑張ることの大切さやね。
【語源・由来】
乗った船が出航して岸から離れると、もう途中で降りることができない事が由来です。
一度始めた事で、途中どのような事情があっても、事態が変わっても、止めることができない時に使います。
【類義語】
・乗り掛けた船
・乗り出した船
・乗り掛かった馬
・渡りかけた橋
・騎虎の勢い
【英語訳】
・As long as one has come this far.
・He that is out at sea, must either sail or sink.
・In for a penny,in for a pound.
・To be fully involved. No half-measures.
・Past the point of no return.
「乗り掛かった船」の解説
「乗り掛かった船」っていう表現は、いったん何かを始めたら、最後までやり遂げるべきだという意味があるんだ。途中で挑戦や取り組みが難しくなったとしても、一度始めたことは責任を持って最後まで続けるべきだという考えを示しているんだよ。
例えば、新しいプロジェクトや趣味を始めたけれど、思ったよりも大変だったり、予想外の困難に直面したりすることがあるよね。そんな時に、「乗り掛かった船」という言葉を思い出して、途中で諦めずに最後までやり遂げる勇気や決意を持つことが大切だってことを教えてくれるんだ。
英語の「In for a penny, in for a pound.」という表現も同じ意味を持っていて、小さなことに関わったのなら、大きなことにも同じくらいの覚悟を持って取り組むべきだという意味なんだ。このことわざは、一度何かに手を出したら、その結果や影響の大きさに関わらず、最後まで責任を持って取り組むべきだという価値観を表しているんだよ。
「乗り掛かった船」の使い方
「乗り掛かった船」の例文
- ダメな男と別れることができない女性は、乗り掛かった船から脱出できない事が多い。難破しそうでもその船を見捨てることができないからだ。
- 同僚が企画したプロジェクトに参加したのだが、ライバル企業に比べるとどうにも旗色が悪い。乗り掛かった船と腹を決めたが、泥船である可能性もある。
- 2ヵ月も前から親友の恋愛相談に乗っていた私は、乗り掛かった船とばかりに、親友と男性が会えるようにお膳立てをしてあげた。
<間違った例文>
×乗り掛かった船だが、やむを得ない事情で中止にした。
途中で止める事には使えません。
×乗り掛かった船に乗っていこう。
×乗り掛かった船にはためらわず乗る。
×乗り掛かった船だが乗らない 。
これらは「乗りかかった」という言葉を「乗りかけている」と間違えています。
「乗りかかった船」=出航してしまった船。
「船に乗りかけている」=まだ出航していない船。