【ことわざ】
軒を貸して母屋を取られる
【読み方】
のきをかしておもやをとられる
【意味】
軒先だけと思って貸したのに中心部の建物まで占拠されるということで、一部を貸したために全体を取られるたとえ。好意につけ込まれてひどい目に遭うこと。
【語源・由来】
軒先を貸しただけのつもりだったのに、最後には家まで全部取られてしまうことから。
【類義語】
・愛犬に手を噛まれる
・後足で砂をかける
・恩を仇で返す
・飼い犬に手を噛まれる
・陰に居て枝を折る
・片屋貸して母屋取られる
・獅子身中の虫
・借家栄えて母屋倒れる
・鉈を貸して山を伐られる
・庇を貸して母屋を取られる
【英語訳】
Give knaves an inch and they will take a yard.
Give him an inch and he’ll take an ell
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「軒を貸して母屋を取られる」の使い方
軒を貸して母屋を取られるという話をするわね。ある時、ある国に商人がいてね、雨の日に外に出ると、軒の下に雨宿りをしている旅人がいたの。
ふーん。それで?
それで「雨が止むまで、軒を貸してください」って言われたから「どうぞ。でもなかなか止まないようだから、中へ入って温まってください」と言って中に入ってもらったの。暇だった旅人は、商人を手伝うようになったんだけど、店中の者に気に入られ、雨が止むころにはお店を乗っ取られていましたっていう話。
ひー。怪談より怖い話。けがをした犬を助けて手当てしたのに、その犬に手を噛まれるって感じだね。
「軒を貸して母屋を取られる」の例文
- 軒を貸して母屋を取られると言うように、困窮していたから助けた友人にお金を持ち逃げされた。
- 軒を貸して母屋を取られると言うように、今はお金がないから、一か月後に家賃を払うという約束で貸したのに、家賃を払わず逃げた。
- 軒を貸して母屋を取られるという言葉のように、親身になって悩みを聞いていた友人が私の悪口を言い触らしていたことを知りショックを受けた。
- 軒を貸して母屋を取られるという言葉のように、会社が倒産して困っていた友人を雇ったら、その後、彼は同じ業種の会社を立ちあげ、私の会社を買収した。
- 軒を貸して母屋を取られるというようにお金に困っている友人を頻繁にうちに呼んで、彼女の手料理を食べさせたりしていたが、彼女を取られてしまった。