「故郷へ錦を飾る」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
故郷へ錦を飾る
【読み方】
こきょうへにしきをかざる
【意味】
立身出世して故郷に帰る。故郷をはなれていた者が、出世して故郷に帰る。故郷へは錦の袴を着て帰る。
これは、遠くへ行っても自分のルーツを忘れず、その成功を共有する大切さを教えてくれてる言葉やな。
【語源由来】
「錦」は金糸銀糸で華やかな模様を織り出した高価な絹織物。「錦を飾る」は、功成り名をあげた人が晴れがましい衣服をまとう意。
【類義語】
・錦を着て故郷に帰る
・衣錦之栄
・帰るには錦着て行く
・故郷には錦の袴を着て帰れ
・故郷へ錦を着て帰る
・故郷へ花を飾る
・故郷へは錦を着る
・錦を着て郷に還る
【英語訳】
to return home loaded with honours
「故郷へ錦を飾る」の解説
「故郷に錦を飾る」の「錦」っていうのは、たくさんの色や金銀の糸を使って織り上げた、とても豪華な布のことを言うんだ。
このことわざは、昔の中国の歴史書、『梁書』に出てくる話からきているんだよ。
その話は、劉之遴というすごく才能のある若者が主人公なんだ。彼は、高祖という人から、「お母さんがすごく年を重ねて尊い存在だから、この錦の着物を着て故郷に帰りなさい。そして、お母さんには美しい服を着せて、おいしい食事をたくさん食べさせてあげてほしいよ」と言われて、その錦をもらったんだ。
つまり、その劉之遴がすごく立派なことを成し遂げて、その結果としてもらった豪華な錦の着物を着て故郷に帰った、というのが「故郷に錦を飾る」の起源なんだね。それから、この言葉は「故郷に帰るときは、何か立派な成果を持って帰ろう」という意味で使われるようになったんだよ。
「故郷へ錦を飾る」の使い方
「故郷へ錦を飾る」の例文
- 成功して、故郷へ錦を飾るかそれとも敗北して、故郷へ逃げかえるか。
- 入賞したら、すぐに故郷へ錦を飾ろうと飛行機のチケットを用意してたが、無駄に終わってしまった。
- 彼は、貧しい家庭で育ったので、故郷へ錦を飾ろうという意識や出世欲がとても強い。
- バイオリンの世界コンクールで優勝して、優勝記念コンサートを生まれ故郷で行うことになり、故郷へ錦を飾ることができた。
「故郷へ錦を飾る」の文学作品などの用例
あの帽子は東京で一番高価いゼイタクなものだったので、大得意で故郷に錦を飾るつもりで冠って来たものです。染得たり西湖柳色の衣というところですよ。(夢野久作の父杉山茂丸を語るより)