【ことわざ】
門前市を成す
【読み方】
もんぜんいちをなす
【意味】
あたかも門の前に市場ができたかのように、人や車馬が集まってくること。名声などを慕って訪問する人が多い様子。
【語源・由来】
中国の前漢の時代の鄭崇が、家に人を集めて謀反を企んでいると疑われ、「家の門の前には市場のように人がいるが、心は水のように清らかです」と訴えたという故事から。
【出典】
「漢書」鄭崇伝
【類義語】
・門前市の如し
・門庭市の若し
【対義語】
・閑古鳥が鳴く
・鳥の網張る宿
・門外雀羅を設くべし
・門前雀羅を張る
【英語訳】
He has a flood of callers.
The door is besieged by a crowd
Visitors call on him incessantly.
「門前市を成す」の使い方
今、歯医者さんに行ってきたんだけど、あそこの歯医者さんはとても変わっていて、患者をまるで玩具か人形のように扱って愛想がないんだ。
へえ。じゃあなんで、そこにしたの?歯医者さんなんてたくさんあるのに。
あの歯医者さんは、愛想がないんだけど、不思議なほどはやっていて、門前市を成すって言葉通りなんだよ。歯医者さんの、技術がすごいんだ。
なるほど。私は虫歯がないからお世話になることは当分ないけれど、その時が来たらぜひ、その門前市を成す、名医のところに行きたいわ。
「門前市を成す」の例文
- 最年少で芥川賞を受賞した美少女ということで、彼女の家には、詰めかけたマスコミで、まさに門前市を成していて、アポイントメントも強引に割り込んで、ようやく取れたという状況だった。
- 父が局長に就任してから、門前市を成すという言葉にあるように、ひっきりなしに訪問客があり、家にいても落ち着くことができない。
- 何故だか、自分にもわからないが、知事選の候補として名前があがり、それからというもの、夜回りの記者が僕の帰りを待ち構え、門前市を成すようになった。
- もっと鼻が高かったら、美人な顔になって、花束を抱えた男性たちが私の前に門前市を成すかしら。
- 建築賞を受賞してから、弟子になりたいという者や取材を申し込みに来る者で、門前市を成すようになった。