「猫に小判」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
猫に小判
【読み方】
ねこにこばん
【意味】
どれほど貴重なもの・高価なもの・価値のあるものでも、持ち主がそれを知らなければ何の値打ちもないことを意味します。すばらしいものを見せても、効果や反応がない事を意味することもあります。
それと同じで、何かの価値を理解できない人に、それがどれだけ素晴らしいものでも、意味がないってことやな。これは、物事の価値を理解することの大切さを教えてくれてるんやで。
【語源由来】
猫の前に小判を置いても、その価値が分からないので何の反応もなく、また猫にとって何の意味もなく、何の役にも立たないことに由来しています。「上方いろはかるた」の中の「ね」です。
【類義語】
・猫の前に小判
・犬に小判
・豚に真珠
・牛に対して琴を弾ず
・牛に説法馬に銭
・馬の目に銭
・猫に胡桃をあずける
・犬に念仏猫に経
・犬に論語
・兎に祭文
・牛に経文
・牛に麝香
・馬の耳に風
・馬の耳に念仏
・猫に石仏
・豚に念仏猫に経
「猫に小判」の解説
「猫に小判」っていうことわざは、猫が小判の価値をわからないから、小判を前にしても全く反応しない様子を描いているんだよね。
猫は、自分の好物である鰹節には飛びつくけれど、価値ある小判には興味を示さない。だから、「猫に小判」は、小判の価値を理解できない者に小判を与えるのは無駄なこと、という意味になるんだね。
そして、もう一つポイントがあるんだ。それは猫の性格だよ。猫は犬や家畜とは違って、なかなか人間の意に従わないよね。つまり、人間の価値観に合わせて行動するとは限らないんだ。だから「猫に小判」は、人間の価値観や意図を理解できない者に価値あるものを与えるのは無意味、という教えなんだよ。
また、猫が「招き猫」のイメージとしてよく知られていることも、このことわざの由来になっているんだろうね。それに加えて、猫が人間の思う通りには動かない性格を持っていることから、貴重な小判と対比させる動物として選ばれたんだよ。
「猫に小判」の使い方
「猫に小判」の例文
- とても素敵なアンティークのブローチだが、新しいもの好きな私の妻にプレゼントしても、猫に小判でこの価値なんて分からないのだろうな。
- 猫に小判というように、どんなに値打ちのあるものでも、その値打ちがわからない人にとっては何の役にも立たない。
- 若い頃から苦労して会社をここまで大きくした社長のサクセスストーリーを、若い社員はあくびをしながら聞いている。まったく貴重な話を聞き流すとは猫に小判だな。
- 切手コレクターの兄に、非常に珍しい切手を見せられたが、猫に小判なのか、ぼくにはただの古い切手にしか見えない。
- ペットのトイプードルにGUCCIの首輪をつけている飼い主を見かけたけど、猫に小判で犬にはその価値なんて分からないよね。
【注意!】間違った例文
「お母さん、僕にピアノを買ってくれたけれど、猫に小判だよ。」
「猫に小判」を英語で言うと?
「猫に小判」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
A barleycorn is better than a diamond to a cock.
- 意味:雄鶏にとっては、一粒の大麦のほうがダイヤモンドよりも価値がある。
cast pearls before swine
- 直訳:真珠を豚の前に投げる
- 意味:豚には真珠の価値が分からない
猫に高価な小判を与えても、猫にはその価値が理解できないからね。