「鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たり」の意味(出典・語源由来・英語訳)
【ことわざ】
鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たり
【読み方】
せんはへびににたり、さんはしょくににたり
【意味】
利益のためならば、どんなことでもやるというたとえ。
これは、人が利益のためには何でもするっていう性質を表してるんや。利益を追求する人間の行動の奇妙さやね。
【出典】
「韓非子」漁
【語源・由来】
漁師は利益のために蛇に似ている鱧を手でつかむ。また、蚕は芋虫に似ているが、蚕養業者は気味悪がることなく扱う意から。
「蠋(しょく)」とは、芋虫(いもむし)のこと。
【英語訳】
If man is for profits, he does a fearful thing. It is anything calm.
「鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たり」の解説
「鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たり」ということわざは、人々が利益のためであれば、恐ろしいことや不快なことも平然と行うという意味を持っているんだよ。「鱣(せん、またははも)」は、見た目が蛇に似ていても、漁師はそれを捕まえることに躊躇しない。一方で「蠋(ちょ、芋虫の古語)」に似ている蚕も、養蚕を行う人は気味悪がることなく扱うという例からこの言葉が生まれたんだね。
このことわざは、利益や経済的なメリットを追求する際に、人々が通常は避けがちな恐ろしいことや不快なことも受け入れることがあるという現実を示しているよ。たとえば、漁師は鱧(はも)を捕るために蛇のような外見の魚にも手を出し、養蚕業者は蠋(芋虫)に似た蚕を扱って絹を得るんだ。
この言葉は、人間の行動や決断が、経済的な利益や実用性に基づいて行われることを示しており、そのような状況においては通常の嫌悪感や恐怖心が影響を受けることを教えてくれるんだね。このことわざは、利益を追求する際には、通常は避けたいと思うようなことでも受け入れることがあるという人間の複雑な性質を示しているよ。
「鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たり」の使い方
「鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たり」の例文
- 鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たりというけれど、彼女が会社を裏切ったなんて信じられない。
- いつもニコニコしいている彼が、まさか事件を起こしていたなんて、鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たりということか。
- いくら大きな利益があるといっても、そんなことはできないと断った。引き受けるなんて、鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たりということだろう。
- 鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たりというが、彼が加担していたとは思いもよらなかった。
まとめ
鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たりといいますが、いくら利益になるといっても、嫌なことや恐ろしいことは、できればしたくありませんね。