「死人に口無し」の意味(英語訳)
【ことわざ】
死人に口無し
【読み方】
しにんにくちなし
【意味】
死んだ人は証言や抗弁もできないことから、無実の死人に罪を着せることや、死人を証人に立てることもできないことをいう。
死んだ人をいくら呼んでも口から言葉は出てこんし、真実を語ることもできへんってことや。だから生きとるうちにちゃんと話し合っておかなあかんってことやね。
【英語訳】
Dead men tell no tales.
「死人に口無し」の解説
「死人に口無し」というのは、死んでしまった人は話すことができないから、もし何か間違ったことを言われても、それが本当じゃなくても、自分で「それは違うよ」と説明したり、はっきりさせたりすることができないって意味なんだ。
これは、たとえば誰かが亡くなった人について悪いことを言ったり、何か悪いことをしたかのように話したとしても、その亡くなった人は自分で何も言えないから、事実がどうであれ、その話を否定することができないということを表しているんだよ。
またね、もし裁判で何か証明するときに、亡くなった人が証人だったらいいのにって思っても、死んだ人は証言できないから無理だよね。だから、「死人に口無し」という言葉は、死んだ人が何も話せないから、何かを証明したり、正したりするのは不可能だということを表しているんだ。
「死人に口無し」の使い方
「死人に口無し」の例文
- 結局真相は闇の中か、全て知っている首謀者が何も話さないうちに亡くなってしまったことが残念です。死人に口無し、証拠といっても確たる証拠はないので、追求の手もなくなってしまいました。
- 有名な先生だけど噂では、先日亡くなった助手の研究テーマを自分のものとして発表したらしい。死人に口なし、助手の方は悔しいでしょうね、でも周りは見ていたから、そのうちバチが当たるね。
- 社長は何をやりたかったのでしょうか。亡くなった今となっては聞くこともできない。死人に口無し、生前もう少し詳しくお話を伺っておくべきでした。
- 死人に口なしとはいいますが、この本を読むと今でも熱く語っておられたことを思い出します。
「死人に口無し」の文学作品などの用例
「では、みね子も遠山に関係があったんですか」「なにぶんにも死人に口無しで、二人の関係がどの程度まで進んでいたかということははっきり判りませんが、兎にかくみね子が遠山に恋していたのは事実です。(岡本綺堂の山椒魚より)
まとめ
歴史とは、時の統治者の都合の良い記録、または勝者に都合の良い記録だともいわれます。非統治者や敗者がどんなに立派であっても記録にないものは証明のしようがありません。国によっては焚書(ふんしょ)といって都合の悪い記録を組織的に焼却する文化があります。死者に口なしとはいいますが、いずれ自分に降りかかってくるのでしょう。