「その手は桑名の焼き蛤」の意味(語源由来・英語訳)
【ことわざ】
その手は桑名の焼き蛤
【読み方】
そのてはくわなのやきはまぐり
【意味】
うまいことをいっても、そんな計略には引っかからないというたとえ。
これは、人を欺くような甘い言葉や策略に対して、警戒心を持つことを示してるんや。賢い対応や慎重な判断の必要性を教えてくれてるんやな。
【語源・由来】
「食わない」という言葉に、「桑名(現在の三重県桑名市)を掛けて、さらに桑名の名物である焼き蛤をかけて言った言葉。
「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」では、弥次郎兵衛・喜多八も桑名で焼き蛤を肴に酒を酌み交わしたという。
【英語訳】
An old fox is not easily snared.
It is not deceived even if it says a nice thing. Because the baked clam of Kuwana is delicious.
「その手は桑名の焼き蛤」の解説
「その手は桑名の焼き蛤」という表現は、巧みな言葉や策略に乗らない、すなわちその誘いや提案を受け入れないという意味を持っているんだよ。この言葉は、言葉遊びを用いた面白い表現なんだね。
この表現の中で「その手は食わない」という部分は、相手の策略や提案に乗ることを拒否する意味を持っているよ。「食わな」という言葉は、「食う(受け入れる)ない」という意味で、ここでは相手の巧みな誘いを拒絶する様子を表しているんだ。
また、「桑名の焼き蛤」というのは、桑名が焼き蛤で有名であることを指していて、「食わな」と響きが似ていることを利用した言葉遊びが含まれているんだね。桑名は三重県にある地名で、焼き蛤(やきはまぐり)はその地域の特産品として知られているよ。
このことわざは、言葉巧みな誘いや提案に警戒し、簡単には引っかからない態度を示すことの重要性を伝えているんだ。この言葉は、相手の意図や提案に対して慎重であるべきことを教えてくれるよ。また、この表現はユーモアを含んでいるため、会話の中で軽いジョークや冗談として使われることもあるんだね。
「その手は桑名の焼き蛤」の使い方
「その手は桑名の焼き蛤」の例文
- 妹が急にぼくのことを優しいお兄ちゃんと呼ぶなんて、小遣いが欲しいに決まっている。しかしその手は桑名の焼き蛤だよ。
- 母がお小遣いをくれると言うけれど、なにか頼み事があるに違いない。その手は桑名の焼き蛤だ。
- 父は新しいゴルフクラブを、母に見つからないように隠しているところを見てしまった。お小遣いで私に秘密を守らせようとするなんて、その手は桑名の焼き蛤よ。
「その手は桑名の焼き蛤」の文学作品などの用例
もうろくはしても、小娘の手玉にとられる他巳吉様と他巳吉様が違っているぞ。おかど違ひというものでげしょう。他巳吉は見事な見得を切るのであった。その手は大きに桑名の焼蛤というものだ。そこで再び大きな舌をべろりとだして憎たらしげに鼻をひくひくさせるのだった。(坂口安吾の吹雪物語より)
まとめ
あの手この手でうまいことを言って、騙してしまおうと考えていることがあるかもしれません。
しかし、その手は桑名の焼き蛤というように、簡単には騙されないように気を付けたいものですね。
つまり、どんなに巧妙な誘いや計略でも騙されない、またはそれに乗らないという意思の表明をしているんだ。