「宋襄の仁」の意味(語源由来・出典・英語訳)
【ことわざ】
宋襄の仁
【読み方】
そうじょうのじん
【意味】
無用なあわれみをかけること。
また、不要なあわれみをかけたことで、ひどい目にあうこと。
これは、ただ感情に流されて行う慈悲や同情が、実際には助けにならず、逆に問題を作ることがあるってことを教えてくれてるんや。感情だけでなく、実際の効果や結果も考えるべきやってことやな。
【語源・由来】
中国の春秋時代に、宋(そう)の襄公(じょうこう)が楚(そ)と戦った時に臣下の一人が、「敵の陣容が整わないうちに攻撃しましょう」と進言したけれど、襄公は「人の弱みにつけこんで攻めることは、すべきではない」と攻撃をしなかった。
しかし、そのことが原因で敗北してしまったという故事に基づく。
【出典】
「春秋左氏伝」僖公二二年
【英語訳】
Useless tender feeling.
「宋襄の仁」の解説
「宋襄の仁」という表現は、中国の春秋時代に宋国の襄公が示した、無益で役に立たない慈悲や情けを意味しているんだよ。この故事は、「春秋左伝」の僖公二二年の記述に基づいていて、宋国と楚国が戦った時の出来事を描いているんだね。
この話によると、宋の襄公は戦いの際に先制攻撃をするよう進言されたが、それを拒否し、敵の楚国が戦闘準備を整えるのを待ってから攻撃を開始したんだ。しかし、この決定は戦術的な失敗となり、宋国は敗北したとされているよ。この行為は、襄公の仁(慈悲や情け)として評価される一方で、実際には戦いにおいて役に立たず、宋国にとって不利な結果を招いたとされているんだ。
「宋襄の仁」は、善意や情けが必ずしも実用的で効果的な結果をもたらすとは限らない、という教訓を含んでいるんだよ。この表現は、慈悲や情けが時には無益であること、また、良い意図が間違った結果を引き起こす可能性があることを示しているんだね。この故事は、特に戦術や政策の決定において、慈悲や情けよりも実用的な判断が重要であるというメッセージを伝えているんだ。
「宋襄の仁」の使い方
「宋襄の仁」の例文
- あれほどの点差があってはかわいそうだと手を抜いたせいで、宋襄の仁となって負けてしまった。
- 彼はお金に困っていると聞いたので、返済を待つことにしたけれど、音信不通になってしまった。宋襄の仁ということか。
- 彼女はとても泣いて謝るものだから許したけれど、私の恋人を奪って逃げてしまうなんて、宋襄の仁になってしまった。
- そんなに情けをかけていると、宋襄の仁になってしまうと忠告していた通り、友人はひどい目にあってしまったようだ。
まとめ
冷酷な対応をするということは、なかなかできることではないですね。
しかし、無用なあわれみをかけてしまったことで、自分がひどい目にあってしまっては、とても悲しいですね。
宋襄の仁とならないように、心がけたいものですね。