【ことわざ】
喪家の狗
【読み方】
そうかのいぬ
【意味】
痩せて衰えていて、元気のない人のたとえ。
【語源・由来】
葬式のあった家の犬は、家の人に世話をしてもらう余裕がなく、食べ物が与えられないで痩せ衰えることから。
「喪家」は、葬式を出して喪に服している家。
【出典】
「史記」孔子世家
【故事】
諸国をまわりやつれ果てた孔子をみて、鄭(てい)の人が、
「纍纍(るいるい)として、喪家の狗の若(ごと)し」
すっかり疲れ果てて、見る影もなくやつれている。
と、評したとされる故事に基づく。
【英語訳】
It is the person who became emaciated without spirit.
「喪家の狗」とは、喪中の時に家の人が悲しみのあまり、えさをやるのを忘れてしまった犬という意味と、宿なしになってしまった犬という意味の両方が考えられている。
「喪家(そうか)」を、「そうけ」と読むのは誤りなので注意が必要。
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「喪家の狗」の使い方
昨日、久しぶりにおじさんがうちに泊まりに来たんだ。
健太くんの家に入っていくところを、見かけたわ。
仕事に失敗して、住むところが無くなってしまって、奥さんとも別れてしまったと話していたよ。
だから、喪家の狗のように、すっかりやつれてしまっていたのね。
「喪家の狗」の例文
- 彼は意気込んで事業を始めたものの、どうやら失敗してしまって借金だけが残ったようだ。すっかり喪家の狗のようにやつれてしまっていたよ。
- 彼女は恋人の夢を応援するために、寝る間も惜しんで仕事をしていたようだけど、喪家の狗のような様子だった。
- 彼はとてもつらいことがあったと、毎日喪家の狗のようなやつれた姿で夜の街をさまよっているらしい。
「喪家の狗」の文学作品などの用例
その日一日中、小平太はどこをどう歩いていたのか、人も知らず、おそらく自分でも分らなかったに相違ない。兎に角、江戸の市中を、喰うものも喰わず、喪家の狗のように、雪溶けの泥濘を蹴立ててうろつき廻っていた。(森田草平の四十八人目より)
まとめ
喪家の狗のように、やつれて元気がなくなってしまっては、とても心配になりますね。
大変なことがあるかもしれませんが、元気を出したいものですね。