「天下取っても二合半」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
天下取っても二合半
【読み方】
てんかとってもにごうはん
【意味】
・物は必要なだけあればそれで事足りるので、あまり欲張るなというということ。
・必要なものが必要なだけあればそれでよいということ。
欲望にとらわれず、必要なだけのものを大切にする考え方やな。シンプルな生活の良さを感じさせることわざやね。
【語源・由来】
たとえどんなに出世し天下を取った人でも、人間は一食に二合半ほどの米が食べるのが限度であることから。
【類義語】
・千石万石も米五合(せんごくまんごくもこめごごう)
・千畳敷に寝ても畳一枚(せんじょうじきにねてもたたみいちじょう)
・起きて半畳寝て一畳(おきてはんじょうねていちじょう)
・起きて三尺寝て六尺(おきてさんじゃくねてろくしゃく)
「天下取っても二合半」の解説
「天下取っても二合半」という言葉は、いくら多くのものを手に入れても、結局必要な量は限られているという意味のことわざだよ。ここでの「二合半」とは、お米の量を示す単位で、日常生活において必要な食料の量を象徴しているんだ。
この表現は、たとえ天下(広大な領土や非常に大きな権力)を手に入れたとしても、一人の人間が実際に必要とするものはそれほど多くないということを教えているんだ。つまり、欲張り過ぎず、必要なだけを求めることの大切さを示しているんだね。
たとえば、多くの財産や地位を得ることができたとしても、人間の基本的な生活には限られたものしか必要ではないということを、「天下取っても二合半」という言葉で表現することができるよ。このことわざは、物質的な富や地位を追求することよりも、シンプルで本質的な生活を重視することの重要性を教えてくれるんだね。
「天下取っても二合半」の使い方
「天下取っても二合半」の例文
- 天下取っても二合半とはいうものの、天下を取りに行くための努力はした方が良いとおもいますが、あなたはどう思いますか。
- 会社を創業してここまで一生懸命育ててきました。個人的には天下取っても二合半ですから、自分のことだけを考えていればここまで頑張れませんでした。
- ついに経営利益でこの地域の第一位になりましたが、天下取っても二合半という気持ちを忘れず、基本を大切に引き続き努力してまいります。
- 人は人、私は私、天下取っても二合半、それなりに暮らしていければ幸せです。
まとめ
このことわざには二面性があります。人生を達観(たっかん)してあくせく働くことや努力することを望まず、必要最小限の生活でも満足して生きていくことの意思の表明。他方で、天下を取りたいのに諦(あきらめ)てしまう時の心のあり様。諦めは悪い事ではありません。全員がトップにはなれないのですから。自分を納得させる慰めの言葉かもしれません。
このことわざは、物事に必要以上に執着する必要はなく、必要なものがあればそれで十分という考えを表しているんだ。