「遠くて近きは男女の仲」の意味(語源由来・類義語・対義語・英語訳)
【ことわざ】
遠くて近きは男女の仲
【読み方】
とおくてちかきはだんじょのなか
【意味】
男性と女性は精神的に離れた関係だと思われているが、思っているほどそんなに離れた関係ではなく、いつの間にか互いに近づき結びついてしまうということ。
外から見てたら分からへんけど、実際にはすぐに親しくなることもあるってことやな。人の心の変化は予測できひんもんな。
【語源・由来】
このことわざは、平安時代の中期に活躍した女流作家および歌人として名を馳せた清少納言の代表作『枕草子』の一節「遠くて近きもの 極楽 舟の道 男女の仲」が語源と言われている。意味としては、「遠くて本当は近いものと言えば、極楽・船路・男女の仲である。」となる。
【類義語】
・遠くて近きは恋の道
・縁は異なもの味なもの遠くて近きは男女の仲
・合縁奇縁
・縁は異なもの味なもの
・何事も縁
・虫が好く
・恋路は縁のもの
【対義語】
・近くて遠きは田舎の道
【英語訳】
・Man is fire, and woman tow; the devil comes and sets them in a blaze.
・Relations between men and women are both distant and close.
●Man is fire, and woman tow; the devil comes and sets them in a blaze.
man ➡ 男・男性
fire ➡ 火
woman ➡ 女・女性
tow ➡ 麻屑
devil ➡ 悪魔
come ➡ 来る
blaze ➡ (激しい)火・炎
直訳すると、「男は火、女は麻屑、悪魔が来て彼らを燃え上がらせる」になる。
※『ドン・キホーテ』の作者として世界的に有名なスペイン作家ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラの名言。
●Relations between men and women are both distant and close.
relation ➡ 関係
between ➡ ~の間
both ➡ どちらも
distant ➡ 遠い
close ➡ 近い
直訳すると、「男女間の関係はどちらも遠くて近い」になる。
「遠くて近きは男女の仲」の解説
「遠くて近きは男女の仲」という表現は、男女間の関係が、外見上は遠いように見えても、実際には互いに密接に結びつきやすいという意味を持っているんだ。この言葉は、男女の間の感情や関係が、しばしば予期せぬ形で急速に進展することを示しているんだよ。
このことわざは、男女間の感情が一見すると簡単には理解しにくいものであるかのように見えても、実際には深い絆や親密な関係が意外と簡単に形成されることを表しているんだね。たとえば、当初は互いに興味がないように見える二人が、突然親密になったり、恋愛関係に発展したりすることがある。
「遠くて近きは男女の仲」という言葉は、人間関係の複雑さや、感情の移ろいやすさを表現していて、特に男女間の関係において、予想外の展開が起こりうることを示しているんだ。このことわざは、感情の奥深さや予測不可能な側面を指摘しているんだよ。
「遠くて近きは男女の仲」の使い方
「遠くて近きは男女の仲」の例文
- あの夫婦は異なる国の出身なのにいつの間にか出会って結婚するなんて、まさに遠くて近きは男女の仲である。
- 遠くて近きは男女の仲というもので、在学中には卒業していた3学年上の先輩と晴れて結婚することになった。
- 部署が違い入社以来関わったこともなかったのに、ふとしたきっかけで付き合うことになった。まさに遠くて近きは男女の仲である。
- 遠くて近きは男女の仲と言うが、私の両親がまさにその通りである。