【ことわざ】
虎の威を借る狐
「威」=権力や権威。「借る」は「借りる」の文語形で、「虎の威を借りる狐」と表すこともあります。
「仮る」と表すこともありますが、「駆る」「刈る」「狩る」などと書くのは誤りなので、注意が必要です。
【読み方】
とらのいをかるきつね
【意味】
有力者の権勢をかさに着ていばる、つまらぬ者のこと。
【出典】
『戦国策・楚策』より。虎に捕まった狐が、虎に「わたしは神のつかいだ。後についてきなさい。」と言いました。ほかの動物は、虎を見て逃げましたが、虎は自分を怖がってだとは気づかず、狐のことばを信じました。
【語源・由来】
中国前漢時代の学者・劉向が戦国時代の言説、国策、献策、その他の逸話をまとめあげた書『戦国策』の『楚策』より。「虎が狐を食おうとしたところ、狐は自身が天帝から百獣の王に任命されているため、食べたら天帝の意にそむくことになると伝えた。嘘だと思うならついて来い、と言われた虎は、狐の後に続くと、行き合う獣たちはみな逃げ出していく。虎は獣たちが自分を恐れていたことに気づかず、狐を見て逃げ出したのだと思い込んだ。」という記述から。
【類義語】
・笠に着る
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「虎の威を借る狐」の使い方
今年も僕らの高校の野球部が、県の大会で優勝したね。
凄い盛り上がりだったわね。同級生として誇らしいわ。
電車に乗っていると、他の高校のやつらが、僕が◯◯高校だというだけで羨ましそうな顔をしているのが分かるよ。
こらこら、そんな偉そうな態度を取っては、虎の威を借る狐よ。
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「虎の威を借る狐」の例文
- キャプテンと幼なじみというだけであんなに偉そうにして、まるであいつは虎の威を借る狐だ。
- 弱い鈴木くんが、強い高橋くんの力によって威張っている。まさに虎の威を借る狐だ。
- そこの会社に所属してるからといって、実力も無いのに威張っていては、虎の威を借る狐だよ。
- 虎の威を借る狐だと思われたくないので、彼との関わりがあるのは周囲には秘密にしている。
- 鈴木くんはクラスのボスと仲がよく、みんなにいばっていた。けれど、そのボスが転校してしまい、今はおとなしくしている。鈴木くんは虎の威を借る狐だね。
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「虎の威を借る狐」を英語で言うと?
「虎の威を借る狐」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
An ass in a lion’s skin.
- 意味:ライオンの皮を羽織ったろば。