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【独活の大木】の意味と使い方や例文(語源由来・類義語・対義語)

独活の大木

「独活の大木」の意味(語源由来・類義語・対義語)

意味【ことわざ】
独活の大木

「独活の大木柱にならぬ」ともいう。

【読み方】
うどのたいぼく

【意味】
図体ばかりが大きくて、中身が伴わず、何の役にも立たない人のこと。見かけだおしの人を指していう。

ことわざ博士
「独活の大木」は、肉体的には大きいけれども、その大きさに見合う能力や価値を持っていない人を描写する言葉なんだよ。
助手ねこ
「独活の大木」やって、体だけが大きくて役に立たない人を比喩するんや。ウドは大きな木になるけど、木材としての価値はほとんどないんや。

それがこのことわざの元となってるんやな。大きな体を持ってるけど、その大きさに見合った価値がない、という意味があるわけや。

【語源・由来】
独活うどは大きいものでは2m以上にもなり、木のように太い茎をしているのに、柔らかくて材木としては役に立たず、成長すると食用としても利用できなくなることから。大きく成長しても、何も役に立たないという事から。

「独活」は、生えてすぐ食べるとおいしい山菜で、一般的に「ウド」とカタカナ表記されます。日本中の山野に自生していますが、江戸時代に栽培が始まりました。栽培されたウドは60~70㎝ほどで収穫されますが、これを収穫しないで放置すると1~1.5mにもなってしまいます。ちなみにウドは草本と呼ばれる草の一種で、木ではありません。なので、本来はウドは「大木」とは呼べません。

【類義語】
・独活の大木蓮木刀
・大男総身に知恵が回り兼ね
・大男の殿
・大男の見掛け倒し
・大きな大根辛くなし
・白豆腐の拍子木
・千人持ちの蒟蒻
・長鞭馬腹に及ばず

【対義語】
・山椒は小粒でもぴりりと辛い
・一寸の虫にも五分の魂
・細くても針は呑めぬ

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「独活の大木」の解説

カンタン!解説
解説

「独活の大木」っていう言葉はね、体だけが大きくて、でも役に立たない人を揶揄(やゆ)するための比喩(ひゆ)だよ。

これは、ウドという植物から来ているんだ。ウドは茎が木のように長く伸びるけど、その茎は柔らかくて、木材としては全く使えないんだよね。だから、「独活の大木」は、見た目だけは立派でも、中身がなくて役立たない人を指す表現なんだよ。

例えばね、学校で身長が一番高くて力持ちだけど、困った時には全然頼りにならない友達がいたら、その友達を「独活の大木」って言うことができるよ。見た目は大きくて頼りがいがありそうに見えるけど、本当に頼るときには役に立たない、そんな意味があるんだ。

「独活の大木」の使い方

健太
今日の体育の授業でドッジボールやったんだけど、クラスで一番体の大きい藤木君がやたらとターゲットにされてて可哀そうだったよ。
ともこ
運動神経は良くないの?スポーツが苦手な人?
健太
うん、おっとりしてるっていうか、のんびりしてるっていうか。男子の中には藤木君の事を独活の大木って呼んで馬鹿にしてる奴らもいて頭にきたよ。
ともこ
そうね、そんな言い方しちゃダメよね。
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「独活の大木」の例文

例文
  1. 春の人事異動でやってきた若くて体の大きな男性社員がいるが、隙あれば大きないびきをかきながら居眠りするし、コピーひとつまともにできない。何とも困った独活の大木がやって来たと私は頭を抱えたくなった。
  2. 兄は人一倍、体が大きいのに体を動かすのが大きらい。休みの日もだらだら寝ているだけで、家の手伝いも何もしない。「まるで、独活の大木よ」と母に言われていた。
  3. 彼はクラスで一番身長が高いのに、バスケがとても下手くそだ。独活の大木だ。
  4.  自分に優しくできない男性や、気の利かない男性を、陰で独活の大木呼ばわりしている女性には嫌気がさす。
  5.  彼は悪く言えば独活の大木のようなところがあったが、今や将棋の世界では静かなる巨人と呼ばれるほどの腕前になっている。
  6. 彼は、外見こそ堂々としているが、実際には何もできない独活の大木だ。

【注意!】間違った例文

❌「妹がピアノを買ってもらったけれど、全然ひかないから邪魔なだけ。独活の大木だ。」

この使い方は間違い。「独活の大木」は、人以外の物に対しては使わない。

「独活の大木」の文学作品などの用例

「鏡家の養子葉之助殿は十二歳だということであるが一見十八九に見えますな」家中の若侍達わかざむらいたち寄るとさわると葉之助のうわさをするのであった。「ノッソリとしてズングリとしてまるで独活の大木だ」などと悪口する者もある。(国枝史郎の八ケ嶽の魔神より)

「独活の大木」を英語で言うと?

英語のことわざ

「独活の大木」の英語表現をご紹介します。

※英語の声:音読さん

Great trees are good for nothing but shade.

  • 直訳:偉大な木は、日陰以外には何の役にも立たない。
  • 意味:大木が役に立つのは、日陰をつくることだけだ。
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「独活の大木」を深掘り

深掘り

「独活の大木」とは、外見だけは立派に見えるが、実際には中身が弱く役に立たないものや人を指す日本のことわざです。

その背景には、ウドという植物の特性が関わっています。

ウドは、非常に高く成長することができる草の仲間です。特に大きく成長したウドは、時に三メートルの高さに達することもあります。

しかし、ウドは木ではなく、草であるため、冬になると茎は枯れてしまいます。これは、ウドの茎にはリグニンという硬化する化学物質が少なく、木部が発達していないためです。したがって、ウドは外見は太く頑丈に見えるものの、実際にはもろくて力強さがありません。

このウドの特性をもとに、「独活の大木」ということわざが生まれました。ウドが高く大きく成長しても木としての強度がないのと同じように、見た目だけは優れているように見えるが、中身が弱く役立たない人や物を指して使われるのです。

これは「独活の大木、柱にならぬ」や「独活の大木、蓮木刀」「独活の大木、杖にもならぬ」といった言い回しにも見られます。これらの言い回しは、見た目の良さと実際の価値や能力とのギャップを強調しています。

類似の意味を持つ他の言葉に「大男のしんがり」や「千人持ちのこんにゃく」があります。これらも、見た目の印象と実際の能力や価値が一致しないことを表すたとえとして使われます。

要するに、「独活の大木」とは、見た目の良さだけが取り柄で、実質的な価値や強さが伴わないものや人を指すことわざです。

参考文献
植物ことわざ事典 | 足田 輝一





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