「馬を得て鞭を失う」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
馬を得て鞭を失う
【読み方】
うまをえてむちをうしなう
【意味】
一方を得たかわりに一方を失うことのたとえ。また、目的の物は手に入れたが、それを扱う手段を失くすこと。
手に入れたものを楽しむための方法がないってことやな。つまり、何かを手に入れるときは、それをどう活用するかも一緒に考えとかなあかんってことを教えてくれてるんやな。
【語源由来】
馬を走らせるためためには鞭が必要なのに、馬は手に入れたが大事な鞭を失うという意味から。
【類義語】
・馬を得て鞍を失う
「馬を得て鞭を失う」の解説
「馬を得て鞭を失う」っていうことわざは、一つの良いことがあったけど、その代わりに他の大事なものを失ってしまう、という意味があるんだよ。
またね、これは目的を達成したけど、その目的を使うための方法や道具がなくなる、という状況を表すこともあるんだ。
たとえば、すごく高速なコンピュータを手に入れたけど、電源ケーブルがない、という状況を想像してみて。コンピュータはあるけど、それを使うための重要な部分がないんだよ。これが「馬を得て鞭を失う」っていうことわざの意味なんだよ。つまり、何かを手に入れたけど、それを上手く使う方法がない、という状況を指すんだね。
「馬を得て鞭を失う」の使い方
「馬を得て鞭を失う」の例文
- 試合には勝ったけれど、大事な主力選手が怪我してしばらく試合には出られない。復帰の可能性もわからないのは馬を得て鞭を失ったようなものだ。
- 入札に勝ったのはよかったものの、これで次の仕事が取れないと馬を得て鞭を失うみたいなものです。しっかりと仕事して信頼を勝ち取りましょう。
- いい仕事が見つかって来月から働けるようになりました。でも、これまでの仕事も、考えてみれば悪くなかったと思います。馬を得て鞭を失うことにならないようにしたいと思います。
- A案は費用対効果では優れているし、B案は市場の拡大が期待できる。どちらも現状より改善されるような案だとは思うが、馬を得て鞭を失うことがないようにしなければならない。
まとめ
古いイタリア映画「道」、刹那的(せつなてき)な生き方のザンバノ(ザンバはイタリア語で悪という意味)と知的障害をもつ純朴(じゅんぼく)な女性ジェルソミーナの物語です。映画の終盤、目的をはたしたザンバノは、これがためジェルソミーナを失います。時は流れ、落ちぶれて海岸沿いを歩くザンバノは聞き慣れた歌を耳にします。歌っている人に彼が問いかけます。そして彼は知るのです。ジェルソミーナがこの同じ歌をうたいながら海岸を放浪(ほうろう)していたこと、最後には誰にも看取(みと)られぬまま死んでいったことを。ザンバノは泣きます。自分の人生で失ったものの大きさにやっと気がつくのです。馬を得て鞭を失うことがないようにしたいですね。