【ことわざ】
嘘も方便
【読み方】
うそもほうべん
【意味】
嘘をつくことは悪い事ですが、物事を円滑に進めるためや、より良い結果を得るための手段として、嘘をつくのが必要なときもあるということ。
【語源・由来】
仏が仏道によって生きとし生けるもの全てを迷いから救い、悟りを得させるための方便(手段)として嘘をつくこともあるという事が由来です。
大きな善行のためには、嘘も許されるということですね。
【類義語】
・嘘つき世渡り上手
・嘘は世の宝
・嘘も重宝
・嘘も追従も世渡り
・嘘も誠も話の手管
・嘘をつかねば仏になれぬ
【対義語】
・嘘つきは泥棒の始まり
・嘘つきは盗人の苗代
・嘘と盗みは互いに隣同士
・嘘は盗人の始まり
・嘘は盗みの基
・嘘を言うと閻魔様に舌を抜かれる
・嘘を言えば地獄へ行く
・嘘をつくと腹に竹が生える
・正直は一生の宝
【英語】
The end justifies the means.(目的は手段を正当化する)
He that cannot dissemble knows not how to live.(偽ることができない人は生き方を知らない人である)
「嘘も方便」の使い方
「嘘も方便」の例文
- 正直者が馬鹿を見る事だってあるし、嘘も方便だよ。
- 彼女は嘘も方便ということわざを知らないのか、傷つくことを平気で言うからだんだん嫌になってきた。
- 妹がバレンタインデーに手作りチョコを作ってくれた。とてもまずかったけれど、家族みんなで「おいしいよ」と褒めた。嘘も方便だ。
- 嘘も方便と言うように、嘘も上手く使えば仕事にプラスになるよ。
- A社の営業マンが、競合他社が扱っていない特別な機能を持った商品を提案しました。実は、その機能はまったくなく、嘘をついていたのですが、お客様は喜んで購入してくれました。嘘も方便ですね。
- 会社の総会で、社長が会社の業績を「去年より20%伸びました」と発表しましたが、実は10%しか伸びていませんでした。しかし、社員は皆、社長の言葉に元気をもらい、仕事に取り組んでいました。嘘も方便ですね。
【注意!】間違った例文
❌「自分が悪いのに、怒られるのが嫌でともこちゃんのせいにした。嘘も方便だからいいよね。」
「嘘も方便」の文学作品などの用例
善悪の判断のあり来りの型だの、表通りはそうでも、裏の小路はこうついていて、そこの歩きかたはこうこうという要領や、人間はあまりの真実はかえって嫌う臆病さをもっていること、嘘も方便ということ、労少くして功多きを賢しとするしきたり、それらをみんなわきまえていて、下品に流れず、さりとて実際からそれず、生活の棹をさしてゆく術を、ものわかりのよさ、というのである。(宮本百合子のものわかりよさより)