【ことわざ】
幽明境を異にする
【読み方】
ゆうめいさかいをことにする
【意味】
「幽」は暗い冥土、「明」は明るい現世のこと。「境」はある部分の場所、範囲。死別すること。
【語源・由来】
あの世とこの世の境界を越えた者とは、再び現世で出会わないことから。
【類義語】
・幽明境を異にす
・幽明相隔てる
・幽明相隔
・幽明処を隔つ
【対義語】
ー
【英語訳】
cross the Great Divide
「幽明境を異にする」の使い方
先週、ずっとかわいがっていた犬のコロと幽明境を異にしたんだ。
健太くんとともに成長してきたコロがいなくなると、寂しいわね。
うん。朝、散歩に行くために、今でも同じ時間に起きてコロを探してしまうよ。
健太くんが、泣いてばかりだとコロが心配して、幽明の狭間でさまよってしまうから、元気出さないとね。
「幽明境を異にする」の例文
- 彼は、最愛の奥さんと幽明境を異にしたばかりなのに、もう仕事に復帰して気丈にふるまっている。
- 合併の功労者である会長が幽明境を異にしてすでに久しいので、彼が、死人に口なしをいいことに、会長にすべての罪を押しつけようとしていることは疑う余地がなかった。
- 最近、とても有名だった女優さんが幽明境を異にするというニュースを見たが、あまりに若く美しいので、そんな年齢だったのかと驚いた。
- 毎晩のように、談論風発した親愛なる酒友たちとは、幽明境を異にし、自分の住んでいる世界が実に味気のないものに思えてくる。
- 六十五歳になり、彼女は、親しかった人々の多くが幽明境を異にしていることに、あらためて淋しさと心細さを覚えた。
まとめ
幽明境を異にする。この世からあの世に旅立ち戻ることのないことを表現した言葉である。昔、小学校の先生が、生徒に人間は生き返るかという質問をしたときに、生き返るよと答えた子が多くて、ゲームの世界でリセットボタンを押せばやり直すことができるように、人生にもリセットボタンがあると思っている子が多いと嘆いていたことを思い出した。