「病膏肓に入る」の意味とは?(出典・英語訳)
【ことわざ】
病膏肓に入る
【読み方】
やまいこうこうにいる
【意味】
不治の病にかかること。転じて、ある物事に熱中してどうしようもなくなること。
【出典】
「春秋左氏伝・成公十年」
【英語訳】
The disease becomes incurable.
「病膏肓に入る」の故事
【故事】
「膏」は心臓の下、「肓」は横隔膜の上部にあたり、ここに病気が入ると治療できないとされた。「春秋左氏伝・成公十年」にある故事に基づく。晋の景公が病気になり、秦から名医を呼んだところ、医者が着く前に景公は、病気の精が二人の童子となって、膏と肓の間に逃げ込む夢をみた。医者が到着し、景公を診察すると「膏と肓の間に病気があり、薬も針も届かないので治療のしようがありません」と言ったので、景公はその医者を厚くもてなした。まもなく景公は亡くなった。
「病膏肓にいる」という言葉の出どころは、昔の中国の晋の国の王、景公の話からきているんだよ。
景公が病気になったとき、夢に病気の精霊が現れたんだ。その精霊は二人の子供で、医者が来て自分たちを見つけないように、膏と肓の間、つまり体のとても深いところに隠れることにしたんだよ。
そして本当に医者が来た時、その病気は体の深いところ、膏と肓の間に入ってしまっていて、手が届かないほどだった。だから、それは治すことのできない重い病気だと医者は言ったんだ。
それで、「病膏肓にいる」は、とても深刻な問題や状況に陥っていて、解決が難しい状態を表すようになったんだよ。
「病膏肓に入る」の使い方
「病膏肓に入る」の例文
- 記憶をさかのぼれる限りの以前から、彼のクロスワード・パズルは病膏肓に入っていて、早朝に頭の運動をすることは、一日の知的活動のために大変いいのだと彼は自分の道楽に理屈を付けている。
- 彼は自分の持ち金、財産、感情を、洗いざらい書物のために捧げつくしていて、彼の書物への愛は、病膏肓に入っている。
- 選挙の腐敗は昨日や今日に始まった事ではなくて、もはや病膏肓に入って瀕死の状態であり、現政権の保守党は、この腐敗選挙を基盤として成立しているから、粛正することは難しかった。
- 彼は、偉大な書誌学者といえたが、しかし、病膏肓に入ったコレクターによくあるように、彼も、自分しか所有していない究極の稀覯本がほしくなった。
- 一度、母が大阪を訪ねてきたが、彼女は病膏肓に入った宝塚歌劇心酔者であり、しばしば電車に揺られて宝塚へ赴く。