「天知る地知る我知る人知る」の意味(出典・故事・類義語・英語訳)
【ことわざ】
天知る地知る我知る人知る
【読み方】
てんしるちしるわれしるひとしる
【意味】
誰も知るまいと思っても、天地の神々も私も君も知っている。隠し事は必ず露頭するものであるということ。四知。
それと同じで、隠し事も必ず誰かにはばれてしまうんだよ。だから、正直に行動することが大切なんだ。
【出典】
「後漢書」
【故事】
出典は「後漢書」です。後漢の学者に推薦(すいせん)されて役人になった人が賄賂(わいろ)を贈ろうとしたとき、「夜なので誰にも気づかれません」と言ったところ、学者が「天知る、地知る、我知る、子知る。何をか知る無しと謂(い)わんや=天の神も知っている、地の神も知っている、わたしもあなたも知っている。だからひそかにやっているつもりでも不正はいつかきっと露見(ろけん)する」と答えたという故事に基づいています。
【類義語】
・天道様はお見通し(おてんとうさまはおみとおし)
・神は見通し(かみはみとおし)
【英語訳】
The day has eyes, the night has ears.
「天知る地知る我知る人知る」の解説
「天知る地知る我知る人知る」は、昔、ある賢い人が他の人に役人になるようにすすめられたんだ。でも、その人がその賢い人にお金をあげる(これを「わいろ」と言うんだよ)と提案したときの話だよ。
その人が「夜だから誰にも見つからないよ」と言ったら、賢い人は「でも、天も地も、私もあなたも知っている。だから、どんなに隠そうとしても、悪いことはいつか必ずばれるよ」と答えたんだ。
それから、「天知る地知る我知る人知る」という言葉が使われるようになったんだよ。つまり、この言葉は、どんなに秘密を隠そうとしても、結局は誰かにわかってしまうということを教えてくれるんだ。だから、正直に行動することが大切なんだよ。
「天知る地知る我知る人知る」の使い方
「天知る地知る我知る人知る」の例文
- 天知る地知る我知る人知るか、悪いことはできないね。お母さんにばれてしまって大変でした。
- それはわが社としてはできません。契約はのどから手が出るほど欲しのですが、天知る地知る我知る人知るといいますのでご勘弁下さい。
- どうして素直に謝罪しないのでしょうか、いくらつくろっても天知る地知る我知る人知るでそのうち明らかになるのに。
- 報道機関といってもいつまでも現状のような活動が許されることはないと思います。天知る地知る我知る人知る時代がやってきます。
まるで空(天)や地面(地)も知っているかのように、隠し事は必ずいつかはばれるんだよ。