【ことわざ】
天高く馬肥ゆる秋
【読み方】
てんたかくうまこゆるあき
【意味】
秋の快適な気候のこと。
手紙などで秋の季節の素晴らしさを表す時節の挨拶として用いられます。
【語源・由来】
秋は空気も澄んでいて、空も高く感じられ、馬も肥えるような収穫の季節でもあることから。
杜審言(としんげん)の詩「蘇味道(みそどう)に贈る」に「雲浄くして妖星落ち、秋高くして塞馬肥ゆ」とあるのに基づくという説があります。「馬が肥ゆる秋には必ず事変が起きるから、今年もその季節がやってきたので警戒しましょう」という意味です。
【類義語】
・秋高馬肥(しゅんこうばひ)
・天高馬肥(てんこうばひ)
【英語訳】
正式な英語訳はありません。 Fall/Autumn with the sky clear and blue, and horses growing stout. や The sky is high and clear, and horses grow fat in autumn.という訳の一例はあります。「蘇味道に贈る」の趣旨からするとAutumn の前に the を付けた方が良いでしょう。
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「天高く馬肥ゆる秋」の使い方

遠足には絶好の天気だね。

お弁当が楽しみね。

天高く馬肥ゆる秋っていうからね。

私太ってきてる?最近気にしてんだから。
「天高く馬肥ゆる秋」の例文
- 去年は台風でさんざんの秋だったけれど、今年はまさに天高く馬肥ゆる秋で良かったね。
- 食欲の秋、秋天高く馬肥ゆる秋といいますが、馬はいいとして、人は健康のために太りすぎに注意しましょう。
- この秋の商戦が勝負です。季節も天高く馬肥ゆる秋といいます。しっかりと馬が肥えるように社員一丸となって頑張りましょう。
- 天高く馬肥ゆる秋、読書の秋、秋の夜長、本当に過ごし易い季節ですね。
まとめ
「蘇味道に贈る」の説だと従来の意味とは正反対の意味になります。ことわざの意味も時代と共に変わってきているものもありますが、このことわざでは戦争を予期して油断しないよう警戒する意味合いから、平和そものものの意味合いに変化しています。面白いものですね。