「寸鉄人を刺す」の意味(語源由来・英語訳)
【ことわざ】
寸鉄人を刺す
【読み方】
すんてつひとをさす
【意味】
短く鋭いことばで、人の急所をぐさりと突くこと。
これは、言葉の力とその影響を教えてくれる言葉やわ。短い言葉でも人の心に大きな影響を与えるってことやな。言葉選びが大事やってことやね。
【語源・由来】
出典は「鶴林玉露(かくりんぎょくろ)」です。中国南宋の随筆で地集一の殺人手段より生じたことばで、もともとは小さい刃物で人を殺すということ。
【英語訳】
The tongue is not steel,yet it cuts.
「寸鉄人を刺す」の解説
「寸鉄人を刺す」ということわざは、「鶴林玉露」地集一という書物から来ている表現で、元々は文字通りに「短い刃物で人を刺す」という意味を持っていたんだ。しかし、この表現は時間が経つにつれて、短くて鋭い言葉が人の心の急所を突く、つまり人の心に深い影響を与えることを比喩的に表すようになったんだよ。
このことわざは、言葉の力がどれほど強く、時には物理的な武器と同じくらいの影響を持つことを示しています。例えば、批判や皮肉など、短くて的確な言葉が人の感情に深く刺さって傷つけることがあるよね。このように、言葉の使い方には注意が必要だと教えてくれる言葉なんだ。
つまり、「寸鉄人を刺す」ということわざは、言葉の選び方や話し方がどれほど重要かを教えてくれているんだね。人の感情や心に大きな影響を与える可能性があるため、言葉を慎重に使うことの大切さを伝えている言葉なんだ。
「寸鉄人を刺す」の使い方
「寸鉄人を刺す」の例文
- 小学生の時に先生に言われた言葉は、寸鉄人を刺すというように今でも私の人生の大きく影響しています。
- プレゼンは長すぎるのは当然良くないが、短くすればいいというものでもない、相手にインパクトを与える、寸鉄人を刺すようなフレーズが必要です。
- 自分は良かれと思って周りの意見も聞かずにがむしゃらに突進していましたが、友人の寸鉄人を刺す一言がいい助言となりました。
- 寸鉄人を刺す、まさに要点をついた厳しいご指摘をいただきました。
「寸鉄人を刺す」の文学作品などの用例
又著書に於ても飄逸奇突を極めて居るのは「三酔人経綸問答」の一篇である。此書や先生の人物、思想、本領を併せ得て十二分に活躍せしめて居るのみならず、寸鉄人を殺すの警句、冷罵、骨を刺すの妙語、紙上に相踵ぎ、殆ど応接に遑まあらぬのである。(幸徳秋水の文士としての兆民先生より)
まとめ
ある時に、「あの時の話はよく覚えてます。グサッときましたよ。」と言われたことがあります。言われた本人が全く覚えていないことに大変申し訳ないことをしたと思いました。相手のことを真剣に思って話したのであればきっと覚えているはずです。人間とはいいかげんなもので、その人のために、会社のため考え抜いて発言した内容は覚えていますが、思いつきや一時の感情的な自分の発言は全く覚えていないものです。良いアドバイスになったものであればいいのですが、これまでどれだけの人の心を傷つけたのでしょうか。反省しても手遅れです。寸鉄人を刺すとは意識して言葉を選ぶより、なにげない一言にあるのかもしれません。