【ことわざ】
曲がらねば世が渡られぬ
【読み方】
まがらねばよがわたられぬ
【意味】
道理にかなった正しいことだけでは世の中をうまく渡ってはいけません。時には相手のすることや言うことが間違っていると思っていても、相手に合わせることが必要であるということ。
【語源・由来】
「白河の清きに魚も住みかねて、もとの濁りの 田沼恋しき」(しらかわのきよきにうおもすみかねて、もとのにごりのたぬまこいしき)寛政の改革を行った松平定信(まつだいら さだのぶ)の政治は潔癖(けっぺき)で厳しすぎて庶民には住みにくい、もとの田沼意次(たぬま おきつぐ)の時代のほうが汚い利権がらみがあったが、庶民は豊かだったから良かったという意味を歌った狂歌(きょうか)です。いつの世も人は我が儘(わがまま)なのかもしれません。
【類義語】
・人と屏風は直ぐには立たぬ(ひととびょうぶはすぐにはたたぬ)
・水清ければ魚棲まず(みずきよければうおすまず)
【英語訳】
Hang him that has no shifts.
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「曲がらねば世が渡られぬ」の使い方
健太君。今週は整頓係なんだね。
下駄箱と道具入れの整頓が出来てない人が多い。なんで当番の言うことを聞いてくれないだろ。
曲がらねば世が渡れぬ。時には見て見ぬ振りも必要だと思うよ。健太君だって普段はどうかしら。
そうだね、できてない人のところは、係として僕が整頓してあげよう。
「曲がらねば世が渡られぬ」の例文
- そうすべきなのは当然ですが強引に押しつけてもいいことはありません。曲がらねば世が渡れぬ、ここは譲るべきです。
- 本当に自分の意見が正しいかどうか、曲がらねば世が渡れぬということもある。自分の考えに拘泥(こうでい)することなく、見直すことも必要であろう。
- 現代は契約の社会で人らしい思いやりに欠ける気がします。時には曲がらねば世が渡れぬという人間社会の潤滑油(じゅんかつゆ)が必要だと思います。
- 作法(さほう)が大事なのは当然です。しかしながら、曲がらねば世が渡れぬとも言います。形だけを重視し過ぎるのでは生徒の理解は得られないと思います。