「総領の甚六」の意味(語源由来・英語訳)
【ことわざ】
総領の甚六
【読み方】
そうりょうのじんろく
【意味】
長男や長女は、大事に育てられたので、弟妹よりもお人好しでおろかだ。
一番上の子やから、みんなからの愛情を一身に受けるけど、そのせいでちょっと世間慣れしてない部分もあるってわけやね。長子特有の甘えん坊やのんびり屋さんを表してる言葉やな。
【語源・由来】
「江戸いろはかるた」のひとつ。
【英語訳】
The younger brother has more wit.
「総領の甚六」の解説
「総領の甚六」という言葉は、家庭で長子(総領)が特に大事に育てられるために、その結果として長子が世間知らずであったり、おっとりしていたりする性格を持つことを表すことわざだね。
この表現の「総領」は、家族の中で最も年長の子、つまり長男や長女を指す言葉だよ。伝統的に、多くの文化や家族では長子に特別な期待や注意を払う傾向がある。長子は家族の中で重要な役割を果たすと見なされ、しばしば丁寧に、または過保護に育てられることがあるんだ。
「甚六」という部分は、このような状況で育った長子の性格特徴を指している。彼らは親から多くの愛情や保護を受けた結果、世間の厳しさや現実に対する認識が不足していたり、物事に対しておっとりしていたりすることがあるんだ。このことわざは、家庭内での長子の立場とそれが彼らの性格に与える影響を表しているんだね。
「総領の甚六」は、家庭での育て方が子供の性格や世界観にどのように影響を与えるかを示す興味深い言葉なんだ。このことわざは、長子が特別な扱いを受けることの結果について考えるきっかけを与えてくれるんだよ。
「総領の甚六」の使い方
健太くんは長男よね。
「総領の甚六」の例文
- 弟はいたずらをするけれど、怒られる前にいつもいなくなってしまう。僕はすぐに見つかって怒られるから、総領の甚六だと言われてしまった。
- あの会社の跡継ぎは、とても性格のいい人だと聞いているけれど、どうやら総領の甚六らしい。
- 総領の甚六と言われるけれど、妹の様に次々と恋人が変わることは、それほど羨ましいとは思わない。
- お隣の末っ子は、とても頭が良く賢いけれど、長男は総領の甚六だと近所で噂されている。
- あなたはとても優しくていい人だと言われたけれど、総領の甚六だからと恋人に別れを告げられてしまった。
「総領の甚六」の文学作品などの用例
曹丕は親の目から見ても、篤厚にして恭謙、多少、俗にいう総領の甚六的なところもあるが、まず輔弼の任に良臣さえ得れば、曹家の将来は隆々たるものがあろうと、重臣たちにもその旨は遺言されてあった。(吉川英治の三国志より)
まとめ
長男や長女は、親にとって初めての子供なので、子育てでもわからないことが多く、必要以上に心配をしてしまい、とても大切に育ててしまうのではないでしょうか。
大切に育てられたことは、良いことだと思います。
しかし、世間知らずになってしまい、総領の甚六だと言われないようにしたいですね。