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【因果の小車】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

因果の小車

【ことわざ】
因果の小車

【読み方】
いんがのおぐるま

【意味】
原因と結果がいつまでも繰り返されるさまを、止まらず回る小さな車輪にたとえたことわざ。特に、悪い行いの報いがめぐってくることを戒める意味でも用いる。

ことわざ博士
「因果の小車」は、行いが原因となり、その結果がまた次の出来事につながっていくという考えを表しているよ。
助手ねこ
悪い行いの報い、避けがたいめぐり合わせ、同じような結果が繰り返される場面で用いるニャン。

【英語】
・What goes around comes around(自分のしたことは、やがて自分に返ってくる)

【類義語】
・因果応報(いんがおうほう)
・因果覿面(いんがてきめん)
・自業自得(じごうじとく)

【対義語】
・因果撥無(いんがはちむ)

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「因果の小車」の語源・由来

ことわざを深掘り

「因果の小車」は、仏教の「因果」という考えと、回り続ける「小車」のたとえが結びついたことわざです。「因果」は、原因と結果、または前に行った善悪の行いが、それに応じた結果として現れるという考えを表します。

ここでいう「小車」は、小さな車や車輪を思わせる言葉です。車輪が回り続けるように、原因と結果がめぐり、また次の原因と結果につながる様子を、目に見える形でたとえています。

この言い方は、「因果の車」とも深く関係しています。「因果の車」は、因果が循環することを車輪の回転にたとえた表現で、「小車」という形も同じ系列の言い方として扱われています。

古い用例として重要なのは、謡曲『砧(きぬた)』(1430年ごろ・室町時代、世阿弥作)です。この作品は、筑前国芦屋を舞台に、都にいる夫を待ち続けた妻の悲しみと執心を描いた能です。

『砧』では、妻の霊が苦しみの中にある場面で、「因果の小車の、火宅の門を出でざれば」という趣旨の言葉が出てきます。「火宅」は、火に包まれた家のたとえで、迷いや苦しみに満ちたこの世を表す仏教的な言い方です。

同じ部分には、「六つの道」という言葉も出てきます。これは、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上という六道を指し、人が迷いの世界をめぐり続けるという仏教の考えと結びついています。

つまり、『砧』の「因果の小車」は、悪いことをしたらすぐ罰が当たる、というだけの軽い言い方ではありません。行いと報いがつながり、生死や迷いの世界をめぐり続けるという、仏教的な深い背景をもつ表現です。

のちにこの表現は、仏教的な文脈を離れても使われるようになりました。原因と結果が永久に繰り返されること、また悪い行いの報いがめぐってくることを、止まらず回る小さな車にたとえることわざとして定着しました。

また、「因果はめぐる小車」という形もあります。「めぐる」という言葉が入ることで、行いの結果が回り回って戻ってくるという意味が、さらに分かりやすく表されています。

明治時代には、ポール・ケーラスの作品が鈴木大拙によって『因果の小車』という題で翻訳されました。この題は、もともと日本語にあった表現を生かしたもので、近代の文学にも、仏教的な因果観を伝える言葉として響きを残しました。

現在の「因果の小車」は、昔の仏教語そのものとしてだけでなく、自分の行いがめぐって自分に返ること、悪い行いには相応の結果がついてくることを戒めることわざとして使われます。車輪のたとえによって、因果が一度きりで終わらず、めぐり続けるものとして受け取れる表現です。

「因果の小車」の使い方

健太
昨日、順番を守らずに図書室の本を先に借りた子が、今日は自分の番を抜かされて困っていたよ。
ともこ
それは、順番を大切にしなかったことが、自分に返ってきたみたいだね。
健太
先生が、因果の小車という言葉があるって教えてくれたよ!
ともこ
悪いことほど回り回って返ってくるなら、最初から正しく行動したいね。
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「因果の小車」の例文

例文
  • 友人をだまして得をしようとした少年は、のちに誰からも信じてもらえず、因果の小車を思い知った。
  • 店の評判を落とすような不誠実な商売は、因果の小車で、やがて客離れという結果を招く。
  • 人の失敗を笑っていた生徒が同じ失敗をし、因果の小車とはこのことだと感じた。
  • 環境を粗末に扱えば、災害や生活の不便となって返ってくることがあり、因果の小車を忘れてはならない。
  • 約束を何度も破ったために自分の願いを聞いてもらえなくなり、彼は因果の小車を痛感した。
  • 歴史を学ぶと、無理な政治が人々の反発を生み、因果の小車のように国を乱す例がある。

主な参考文献
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・世阿弥『砧』1430年ごろ。
・ポール・ケーラス著、鈴木大拙訳『因果の小車』長谷川商店、1898年。
・Cambridge University Press『Cambridge Dictionary』Cambridge University Press。
・Merriam-Webster『Merriam-Webster Dictionary』Merriam-Webster。





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