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【上見ぬ鷲】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

上見ぬ鷲

【ことわざ】
上見ぬ鷲

【読み方】
うえみぬわし

【意味】
おごりたかぶって何も恐れず、だれにも遠慮しないように振る舞う人や態度のたとえ。

ことわざ博士
「上見ぬ鷲」は、自分より上のものがいないと思い、ゆうゆうとしている様子や傲慢な態度を表しているよ。
助手ねこ
力や地位をもつ人が、周囲をはばからず勝手に振る舞う場面で用いるニャン。

【英語】
・act as if one is answerable to no one(だれにも責任を負わないかのように振る舞う)
・fearless and arrogant(恐れを知らず、傲慢な)

【類義語】
・上見ぬ鷹(うえみぬたか)
・傍若無人(ぼうじゃくぶじん)
・眼中人無し(がんちゅうひとなし)

【対義語】
・上には上がある(うえにはうえがある)
・実るほど頭を垂れる稲穂かな(みのるほどこうべをたれるいなほかな)

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「上見ぬ鷲」の語源・由来

ことわざを深掘り

「上見ぬ鷲」は、鷲(わし)が他の鳥を恐れず、上から襲われることを心配して空を見上げる必要がないというたとえからできたことわざです。鷲は強い鳥と考えられてきたため、そこから、何も恐れず、だれにも遠慮しない態度を表すようになりました。

「上見ぬ」は、上を見ない、つまり自分より上に警戒すべきものがないことを表す言い方です。「鷲」は、タカ科の大形の猛鳥を表す漢字であり、鋭い爪やくちばしをもつ強い鳥のイメージと結びつきます。

このことわざでは、鷲そのものの生態を正確に説明することよりも、鷲を「空で強い鳥」としてとらえる昔からの見方が大切です。上を見なくてもよいほど強いという姿から、他を恐れずにゆうゆうとしている様子と、思い上がって勝手に振る舞う様子の両方が表されます。

古い用例として、『新撰六帖題和歌』(1244年ごろ成立・鎌倉時代、藤原家良ほか作)の第二帖に、藤原信実の名で「またはよもはねをならぶる鳥もあらじうへみぬ鷲の空の通ひ路」という歌が伝わります。ここでは、翼を並べる鳥もいないだろうというほど高く飛ぶ鷲の姿を、「うへみぬ鷲」と詠んでいます。

この歌の段階では、現在のように人の傲慢さを強く批判するだけでなく、鷲の高さや力強さをたたえるような趣も含んでいます。ほかに並ぶ鳥がないという表現が、のちに「上に気を配らないほど強いもの」という比喩へつながっていきます。

その後、この言い方は、鳥の姿そのものよりも、人や地位、態度を表すたとえとして受け取られるようになりました。おごりたかぶり、何も恐れず、だれにも遠慮しない人や態度をいう形で定着しています。

「上見ぬ鷲」には、「上見ぬ鷹(たか)」という形もあります。鷲と鷹は、ともに空を飛ぶ強い鳥としてたとえに使われ、上からの襲撃を心配しない鳥という点で、同じ意味を担っています。

現代の生物分類では、ワシとタカははっきり分けられるものではなく、一般には大形のものをワシ、小形のものをタカと呼び分けます。しかし、このことわざの中では、分類上の違いよりも、強い猛鳥としての印象が中心になっています。

類義語の「傍若無人」は、人前をはばからず勝手気ままに振る舞うことを表します。また、「眼中人無し」は、人を人とも思わず、わがままに振る舞う様子を表します。

これらと比べると、「上見ぬ鷲」は、ただ身勝手であるだけでなく、自分の上に警戒すべきものはいないと思い込んでいるような、高ぶった態度に重点があります。力のある立場にいる者が、周囲を軽く見て振る舞う場面に用いると、このことわざの意味がよく生きます。

反対に、「上には上がある」は、自分が最高だと思っても、さらにすぐれたものがあるという教えです。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」も、力や学びが深まるほど謙虚になるべきだという考えを表し、「上見ぬ鷲」の思い上がった態度と対照をなします。

つまり「上見ぬ鷲」は、強さや高い地位そのものをほめることわざではありません。自分より上のものを見ないまま、恐れも遠慮もなく振る舞う危うさを示す言葉として受け取るのが大切です。

「上見ぬ鷲」の使い方

健太
今日の学級会で、班長の大地くんがみんなの意見を聞かずに、遠足の係を一人で決めちゃったよ。
ともこ
去年も班長をしていたから、自分の決め方がいちばん正しいと思っているのかな。
健太
先生が、ああいう態度は上見ぬ鷲になりやすいって話していたよ。
ともこ
力がある人ほど、みんなの声を聞かないといけないね!
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「上見ぬ鷲」の例文

例文
  • 部長は長年の実績を鼻にかけ、部下の忠告を聞かない上見ぬ鷲の態度をとった。
  • 大会で優勝してから、彼は周囲を見下す上見ぬ鷲のような振る舞いが目立つようになった。
  • 社長が反対意見をすべて退ける姿は、まさに上見ぬ鷲であった。
  • 学級委員は自分だけで行事の内容を決め、上見ぬ鷲にならないよう先生から注意された。
  • 名人と呼ばれるようになっても、上見ぬ鷲のように人を軽んじてはいけない。
  • 権力を持った者が上見ぬ鷲になると、周囲の小さな声が届かなくなる。

主な参考文献
・小学館国語辞典編集部編『デジタル大辞泉』小学館。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・公益財団法人日本漢字能力検定協会『漢検漢字ペディア』。
・藤原家良ほか『新撰六帖題和歌』1244年ごろ成立。
・Oxford University Press『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』。
・Cambridge University Press『Cambridge Dictionary』。





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