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【浮世は夢】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

浮世は夢

【ことわざ】
浮世は夢

【読み方】
うきよはゆめ

【意味】
人生はたちまち過ぎ去り、夢のようにはかないというたとえ。

ことわざ博士
「浮世は夢」は、目の前の栄えや苦しみも永遠には続かないという考えを表すよ。
助手ねこ
人生の短さや世の移り変わりを、しみじみと受け止める場面で用いるニャン。

【英語】
・Life is but a dream(人生は夢にすぎない)

【類義語】
・浮生は夢の如し(ふせいはゆめのごとし)
・夢の浮世(ゆめのうきよ)

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「浮世は夢」の語源・由来

ことわざを深掘り

「浮世は夢」は、人が生きるこの世を、目覚めれば消えてしまう夢にたとえたことわざです。「浮世」という言葉がもつ無常の意味と、人生を夢にたとえる古い表現とが結びついて成り立っています。

「浮世」は、もともと「憂き世」と書き、苦しみや悲しみの多い現世を指しました。仏教の無常観(むじょうかん)とも結びつき、世の中の物事は移り変わり、いつまでも同じ姿のままでは続かないという意味を担っていました。

平安時代の『伊勢物語(いせものがたり)』には、桜の花が散ることと、つらく定めのない世の中とを重ねた用例があります。この段階では、華やかな世間というよりも、人が思いどおりに生きられない「憂き世」という意味が強く表れています。

その後、中国で定めなく移り変わる世を表した「浮世」という文字の影響を受け、「憂き世」から「浮世」へと表記が移っていきました。それに伴い、苦しみの多い世という意味に加え、水に浮かぶもののように不安定で、はかない世という意味も強まりました。

世の中を夢に重ねる言い方も、早くから日本で使われています。『曾我物語(そがものがたり)』(南北朝時代ごろ成立)には、「ゆめのうき世に何をか現とさだむべき」とあり、夢のようにはかない世で、何を確かな現実と決められるだろうか、という意味を表しています。

もう一つの重要な背景となるのが、唐の詩人・李白(701~762)が記した『春夜宴桃李園序(しゅんやえんとうりえんじょ)』です。この文章には「浮生若夢、為歓幾何」とあり、定めのない人生は夢のようなもので、楽しめる時間がどれほどあるだろうか、と述べています。

李白の文章は、春の夜に一族の人々が桃や李(すもも)の咲く園に集まり、酒を酌み交わして詩を作る宴の序文です。人生が短く、夢のようにはかないからこそ、今ここに集う喜びを大切にしようという思いが、その宴の場面へとつながっています。

「浮生若夢」は、日本では「浮生は夢の如し」と読み下されました。『文明本節用集(ぶんめいぼんせつようしゅう)』(15世紀・室町時代中期)にも「浮生若夢」の形が収められており、人生を夢にたとえる漢文の表現が、この時代には日本で知られていたことが分かります。

現在と同じ「浮世は夢」という形の古い用例は、大蔵虎明が寛永19年(1642)に書き写した狂言(きょうげん)の台本『虎明本(とらあきらぼん)』にあります。狂言「松山」には、「とかくうき世はゆめじゃ、いざさらば」と記されており、別れに際して、この世のはかなさを口にする言葉として使われています。

李白の「浮生若夢」では「浮生」、日本の古い表現では「夢の浮世」、狂言では「浮世は夢」という形が使われています。「浮世は夢」は、中国から伝わった人生観を背景としながら、日本で育った「浮世」という言葉に置き換えられ、短く覚えやすいことわざとして定着したものです。

江戸時代になると、「浮世」は当世風の暮らしや遊興の世界を指すことも多くなりました。しかし、このことわざには、苦しみも栄華も長くは続かず、人生そのものが夢のように過ぎ去るという、古くからの意味が保たれています。

「浮世は夢」の使い方

健太
祖父の家を片づけたら、子どものころの写真がたくさん出てきたよ。
ともこ
写真の中ではみんな若いのに、今は町の景色まで変わっているね……。
健太
こうして昔と今を比べると、浮世は夢という言葉が少し分かる気がする。
ともこ
うん。だからこそ、今日いっしょに過ごせる時間を大切にしよう!
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「浮世は夢」の例文

例文
  • 栄華を誇った城の跡に立つと、浮世は夢という言葉が胸に迫る。
  • 長年にわたって栄えた店が閉じ、祖父は浮世は夢と静かにつぶやいた。
  • 古いアルバムをめくりながら、母は浮世は夢とはよく言ったものだと昔を懐かしんだ。
  • 激しく争った人々の名もやがて忘れられる歴史を思えば、浮世は夢である。
  • 祭りのにぎわいが一夜で消えた朝、浮世は夢という思いだけが残った。
  • 成功も失敗も永遠ではないと知り、彼は浮世は夢との思いを胸に一日一日を大切にした。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000~2002年。
・松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・『文明本節用集』1474年。
・『曾我物語』南北朝時代ごろ成立。
・大蔵虎明『虎明本狂言』1642年。
・李白『春夜宴桃李園序』唐代。





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