【ことわざ】
牛に対して琴を弾ず
【読み方】
うしにたいしてことをだんず
【意味】
愚かな者には、いくら立派な話をしても何の役にも立たない事。
【語源・由来】
牛の前でどんな名曲を琴で弾いても、牛には何も響かない事から。
中国宋時代の睦庵善卿が著した、禅宗関係の図書から熟語二千四百余を採録した字典『祖庭事苑』より。
「公明儀對牛彈琴,弄清角之操,牛食如故,非牛不聞,不合耳也。(魯の公明儀が牛の前で名曲を琴で弾いたが、牛はただ草を食べるだけで何の興味も示さなかった。しかし蚊や虻の音、子牛の鳴き声のような音を琴で弾いて聞かせると、耳をそばだてて尾を振り歩き出した)」という故事から。
【類義語】
・犬に小判
・犬に念仏猫に経
・犬に論語
・兎に祭文
・牛に経文
・牛に麝香
・牛に説法馬に銭
・馬に経文
・馬の耳に風
・馬の耳に念仏
・馬の目に銭
・蛙の面に水
・猫に石仏
・猫に胡桃をあずける
・猫に小判
・馬耳東風
・豚に真珠
・豚に念仏猫に経
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「牛に対して琴を弾ず」の使い方

僕のお母さんは本当に機械に疎くてね。未だに携帯電話を持っていないんだ。

そうなんだ、こんなに便利なのにもったいないわね。

何かあったときの為に、是非持って欲しいと説得はしているんだけど、必要性を感じないみたいで、まるで牛に対して琴を弾ずといったところだよ。

確かに緊急事態の時に連絡が取れないのは不安だね。お母さん、分かってくれたらいいけどね。
「牛に対して琴を弾ず」の例文
- 行き当たりばったりな性格の彼に、旅の備えについてアドバイスをしたところで牛に対して琴を弾ずだ。
- 牛に対して琴を弾ずように、意味のない説教を生徒達にしていても、自分が疲れるだけで何の意味もない。
- 今頭に血が上っている彼女に何を言ったところで、牛に対して琴を弾ずようである。
- どうせ牛に対して琴を弾ずだから、最初から彼らには何も言わないようにしているんだ。
- 牛に対して琴を弾ずと言わせないように、しっかりと彼の話を聞かなければ。