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【落ちれば同じ谷川の水】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

落ちれば同じ谷川の水

【ことわざ】
落ちれば同じ谷川の水

【読み方】
おちればおなじたにがわのみず

【意味】
出発点やたどった道が違っていても、最後に行き着く所は同じであることのたとえ。また、人には身分や貧富の差があっても、死ねば皆同じであることのたとえ。

ことわざ博士
雨・霰・雪・氷の形が異なっていても、最後には同じ谷川の水になるという考えを、人や物事の行く末に重ねた言葉だよ。
助手ねこ
歩んだ道や境遇が違っても同じ結果に至る場合や、死の前では地位や財産の差もなくなることを述べる場合に用いるニャン。

【英語】
・All roads lead to Rome(方法や道筋が違っても、最後には同じ結果に至る)
・Death is the great leveller(死はすべての人を平等にする)

【類義語】
・冥途の道に王なし(めいどのみちにおうなし)

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「落ちれば同じ谷川の水」の語源・由来

ことわざを深掘り

「落ちれば同じ谷川の水」は、空から降る雨・霰(あられ)・雪・氷が、それぞれ異なる姿をしていても、解けて流れれば同じ谷川の水になるという情景にもとづくことわざです。そこから、初めの状態や通ってきた道が違っていても、最後に行き着く所は一つであることを表すようになりました。

このことわざのもとには、室町時代中期の臨済宗の僧、一休宗純に伝わる和歌があります。一休宗純は1394年から1481年に生き、詩や書画にも優れ、後世には多くの説話とともにその名が広まりました。

その歌は、「雨あられ雪やこほりとへだつらん/とくれば同じたに川の水」という形で伝わっています。「こほり」は「氷」、「とくれば」は「解ければ」という意味です。

雨、霰、雪、氷は、名前も形も違います。しかし、雪や氷が解け、すべてが一つの流れに合わされると、もはやどの水が雨で、どの水が雪であったかを分けることはできません。この具体的な水の姿が、ことわざの意味の土台になっています。

この歌の古い用例は、『かさぬ草子(かさぬぞうし)』(17世紀前半・江戸時代初期成立)の「一休之水かゞみ」に出てきます。『かさぬ草子』は、詩歌や仏法に関する話など、さまざまな内容を集めた写本です。

歌の直前には、「是は是、非は非にしてをきて、生は生、死は死、花は花、水は水、草は草、土は土」とあります。それぞれの物事には違いがあると述べたあとに、雨や雪も解ければ同じ水になるという歌が置かれています。

この並びは、物事をただ一つにまとめて違いを消してしまうのではなく、それぞれの姿を認めながら、もとをたどれば共通するものがあることを、水の移り変わりによって表しています。別々に見えるものが、最後には同じ所へ帰るという考えが、ここに示されています。

『かさぬ草子』に書かれた歌では、「とくれば同じたに川の水」となっています。つまり、雪や氷が「解ける」ことが、もとの具体的な情景です。

後には、この歌を土台として、「落つれば同じ谷川の水」という形がことわざとして定着しました。「落つ」は「落ちる」の文語形であり、「落つれば」は「落ちれば」という意味です。

現在の「落ちれば同じ谷川の水」は、「落つれば」を現代の言葉に近づけた形です。古い歌の「解ければ」という情景から、雨や雪などが地上へ落ち、やがて同じ谷川へ流れ込むという、分かりやすい表現へ移っています。

この自然の情景は、やがて人の立場や運命を表すたとえにも広がりました。生まれた家、身分、財産、歩んできた人生が異なっていても、死を迎えるという行く末は誰にも共通するという意味です。

さらに、死について述べる場合だけでなく、異なる方法や道筋を選んだ人々が、最後には同じ結論や結果へ行き着く場合にも用いられます。雨や雪が同じ谷川の水となるように、表面の違いを越えて共通の行く末へ至ることを表すことわざです。

「落ちれば同じ谷川の水」の使い方

健太
面積を出すのに、ぼくは図形を二つの長方形に分けたよ。ともこちゃんは三角形に分けたんだね。
ともこ
計算のしかたは違うのに、答えはどちらも二十四平方センチメートルになったね!
健太
落ちれば同じ谷川の水だね。別の道を通っても、正しく考えれば同じ答えに着くんだ。
ともこ
そうだね。 自分と違う解き方も、よく聞いてみたくなったよ。
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「落ちれば同じ谷川の水」の例文

例文
  • 二人の研究者は異なる方法で調べたが、結論は一致し、落ちれば同じ谷川の水となった。
  • 兄は独学で、妹は教室に通って学んだが、二人とも試験に合格し、落ちれば同じ谷川の水であった。
  • 山道と海沿いの道に分かれて出発した一行も、落ちれば同じ谷川の水で、夕方には同じ宿へ着いた。
  • 育った環境も歩んだ人生も違う二人が、最後には同じ町で暮らすことになり、落ちれば同じ谷川の水となった。
  • 地位や財産をどれほど得ても死を免れることはできず、落ちれば同じ谷川の水というほかない。
  • 反対の方向から進められた議論が同じ結論に達し、落ちれば同じ谷川の水を思わせた。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・現代言語研究会『日本語を使いさばく 故事ことわざの辞典』あすとろ出版、2007年。
・朝倉治彦・深沢秋男編『仮名草子集成 第十八巻』東京堂出版、1996年。
・『かさぬ草子』17世紀前半成立。
・Cambridge University Press, “Cambridge Advanced Learner’s Dictionary & Thesaurus.”
・HarperCollins Publishers, “Collins English Dictionary.”





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