【堅い木は折れる】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

堅い木は折れる

【ことわざ】
堅い木は折れる

【読み方】
かたいきはおれる

【意味】
ふだんは強情で頑固な人が、問題にぶつかると意外にもろく、くじけやすいことのたとえ。また、頑丈そうな人が急に大病で倒れることのたとえ。

ことわざ博士
堅い木は折れるは、しなやかさのない木が風に折れやすい姿を、人の心や態度に重ねた表現だよ。
助手ねこ
自分の考えを押し通しすぎる人が、困難や急な変化に対応できず、もろさを見せる場面で用いるニャン。

【英語】
・A reed before the wind lives on, while mighty oaks do fall.(大風の中で葦は生き延び、強い樫の木は倒れる)

【類義語】
・木強ければ則ち折る(きつよければすなわちおる)
・柔よく剛を制す(じゅうよくごうをせいす)
・柳の枝に雪折れなし(やなぎのえだにゆきおれなし)

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「堅い木は折れる」の語源・由来

ことわざを深掘り

「堅い木は折れる」は、堅くて強そうに見える木が、しなやかさを欠くため、強い風を受けると折れやすいという見立てから生まれたことわざです。ここでいう「堅い」は、物が外からの力に対して容易に形を崩さないことを表すだけでなく、心や態度が融通を欠くことにも用いられます。

「木」は、地上に伸びる茎が木質化した植物、つまり樹木を指します。枝や幹をもつ木は、昔から自然の力を受けるものとして、人の性質や世の中の変化をたとえる材料にもなってきました。

このことわざの考え方に近い古い表現は、中国の思想書『老子』に見られます。『老子』は道家思想を代表する書物で、老子の著と伝わりますが、実際には戦国時代末期、または前3世紀ごろに道家思想をまとめたものと考えられています。

『老子』第七十六章には、人は生きているときには柔らかく、死ぬと硬くなり、草木も生きているときには柔らかく、枯れると硬くなるという内容が述べられています。そこから、堅く強いものは死に近く、柔らかく弱いものは生に近いという考えが示されます。

同じ章には、「木強ければ則ち折る」と読める句が出てきます。これは、木が強く堅すぎると、かえって折れるという意味で、強さだけに頼るもののもろさを説く言い方です。

ただし、『老子』第七十六章の本文には、伝本によって字の違いがあります。「木強則折」とする形のほか、「木強則共」とする説もあり、古い文献の伝わり方に異同があることが知られています。

「堅い木は折れる」は、この「木強ければ則ち折る」と同じ発想を、日本語のことわざとして分かりやすく言い表した形といえます。漢文調の「木強ければ則ち折る」に対して、「堅い木は折れる」は、日常の日本語として意味を取りやすい形になっています。

この表現では、木の堅さは一見すると長所に見えます。しかし、風を受け流す柔らかさがなければ、強い力が加わったときに折れてしまいます。そこから、頑固で妥協を知らない人が、思いどおりにいかない場面で意外にもくじけやすい、という意味へ移りました。

同じ発想を、反対側から述べる言い方に「柳の枝に雪折れなし」があります。柳の枝はよくしなうため、雪が積もっても折れにくく、柔軟なものは一見弱く見えても苦難によく耐えるという意味を表します。

江戸時代前期の仮名草子『可笑記』(1642年・江戸時代前期、如儡子著)には、「柳の枝に雪おれはなし」とあり、松や杉の枝は強いために雪が積もると押されて折れる、という趣旨の記述が出てきます。これは、「堅い木は折れる」と同じく、強く堅いものよりも、しなやかなものが耐えるという考え方を示しています。

また、「柔よく剛を制す」は、しなやかなものが堅いものの勢いを受け流し、最後には勝つという意味です。力で押し通す強さよりも、柔らかく対応する力を重んじる点で、「堅い木は折れる」と深く通じています。

現在の「堅い木は折れる」は、単に植物の性質を言うのではなく、人の性格や生き方への戒めとして使われます。強く見えることだけに頼らず、状況に合わせて考え方を少し曲げるしなやかさが、長く耐える力になることを教えることわざです。

「堅い木は折れる」の使い方

健太
委員会のポスター、ぼくの案だけで進めたいんだ。みんなの意見を入れると、まとまりがなくなりそうだよ。
ともこ
でも、少しは聞いたほうがいいよ。堅い木は折れるって言うし、全部ひとりで決めると困ったときに直しにくいよ!
健太
たしかに、印刷の前にミスが見つかったら大変だね。みんなに見てもらって、直せるところは直そう。
ともこ
うん。そのほうが、きっと見やすいポスターになるよ。
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「堅い木は折れる」の例文

例文
  • 自分の意見を少しも変えない部長は、堅い木は折れるというように、急な方針変更で対応に苦しんだ。
  • 堅い木は折れるから、試合の作戦も相手に合わせて変える柔軟さが必要だ。
  • まじめで頑張り屋の兄は無理を重ね、堅い木は折れるというように体調を崩した。
  • 交渉では、堅い木は折れると考えて、相手の話を聞く余裕を持つことが大切だ。
  • 先生は、堅い木は折れるから、完璧を求めすぎず休む日も作りなさいと言った。
  • 新しいやり方を一切認めない会社は、堅い木は折れるように時代の変化についていけなくなった。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修『デジタル大辞泉』小学館。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・老子『老子』戦国時代末期ごろ。
・如儡子『可笑記』1642年。


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