【雁捕る罠に鶴】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

雁捕る罠に鶴

【ことわざ】
雁捕る罠に鶴

【読み方】
がんとるわなにつる

【意味】
思いがけない幸運や、予想していた以上の収穫を得ることのたとえ。また、ふつうはありえないようなことのたとえにもいう。

ことわざ博士
雁捕る罠に鶴は、雁を捕るつもりの罠に、思いがけず鶴がかかるというたとえだよ。
助手ねこ
ねらっていたものより大きな利益や、予想もしなかった幸運に恵まれた場面で用いるニャン。

【英語】
・a stroke of luck.(思いがけない幸運)
・a windfall.(思いがけず得た利益や幸運)

【類義語】
・鰯網で鯨を捕る(いわしあみでくじらをとる)
・兎の罠に狐がかかる(うさぎのわなにきつねがかかる)
・雀網で孔雀(すずめあみでくじゃく)

【対義語】
・骨折り損のくたびれ儲け(ほねおりぞんのくたびれもうけ)
・虻蜂取らず(あぶはちとらず)

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「雁捕る罠に鶴」の語源・由来

ことわざを深掘り

「雁捕る罠に鶴」は、雁を捕ろうとして仕掛けた罠に、思いがけず鶴がかかるという具体的なたとえから生まれたことわざです。ねらっていたものとは違っていても、それより価値の高いものを得るという意味が、ことわざの核になっています。

「雁」は、カモ科ガン亜科の水鳥の総称で、「がん」「かり」と読まれます。日本では冬鳥として飛来し、古くから人々に知られてきた鳥です。

「罠」は、縄や竹などを輪の形にし、その中に入った鳥や獣をしめて生け捕りにする仕掛けを指します。そこから広く、鳥獣を捕らえるための仕掛け全体をいうようにもなりました。

「鶴」は、ツル目ツル科の鳥の総称です。大形で首と脚が長く、日本では古くから亀とともに長寿の象徴として貴ばれてきました。

このことわざでは、雁を普通のねらい、鶴をより大きく、よりめでたい収穫としてとらえています。小さな期待をもって仕掛けたものが、思いがけず大きな幸運を招く、という構図になっています。

同じ発想をもつことわざに、「鰯網で鯨を捕る」があります。これは、鰯を捕る網に鯨がかかるというたとえで、意外な収穫や思いがけない幸運を得ることを表します。

「鰯網で鯨を捕る」には、浄瑠璃『国性爺合戦』(1715年・江戸時代中期、近松門左衛門作)に「思ひもよらぬひろひ物、いわし網で鯨を取るとは此のこと」という用例があります。ここでは、思いもよらない拾い物を、大きな収穫にたとえています。

「雁捕る罠に鶴」も、同じ型のたとえです。小さめの獲物やありふれた獲物をねらったところ、もっと立派なものが手に入るという形で、予想以上の幸運を分かりやすく表しています。

また、このことわざには、思いがけない幸運という意味のほかに、「ありえないこと」という用法もあります。雁を捕る罠に鶴がかかることは普通には考えにくいため、現実には起こりにくい出来事のたとえにもなりました。

ただし、日常では主に、予想を超えるよい結果を得たときに用います。たとえば、小さな応募のつもりで出した作品が大きな賞を受けるような場面は、「雁捕る罠に鶴」と言いやすい場面です。

このことわざの面白さは、努力そのものよりも、偶然の幸運に重点があるところです。必ず大きな成功を得られるという教えではなく、思いがけず望外の収穫に恵まれることを、鳥と罠の姿で表した言葉です。

「雁捕る罠に鶴」の使い方

健太
町の絵はがきコンクールに、思い出づくりのつもりで出した絵が入選したよ。
ともこ
すごいね! しかも、入選作品は駅前のポスターにも使われるんでしょう?
健太
うん。参加賞のシールがもらえればいいと思っていたのに、雁捕る罠に鶴だったよ。
ともこ
それはうれしいね! せっかくだから、次の作品もていねいに描いてみようよ。
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「雁捕る罠に鶴」の例文

例文
  • 古本市で安い本を探していたら、貴重な初版本が見つかり、まさに雁捕る罠に鶴だった。
  • 小さな賞を目標に応募した作文が全国表彰を受け、雁捕る罠に鶴の結果となった。
  • 空き時間に始めた手伝いが新しい仕事につながり、雁捕る罠に鶴の幸運を得た。
  • 売れ残りを整理していた店で人気商品が見つかり、店主は雁捕る罠に鶴と喜んだ。
  • 練習試合のつもりで参加した大会で優勝し、選手たちは雁捕る罠に鶴のような思いをした。
  • 友人の紹介で軽い相談に行っただけなのに、思わぬ協力者が現れ、雁捕る罠に鶴となった。

主な参考文献

・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・小学館『デジタル大辞泉』小学館。
・鎌田正・米山寅太郎著『角川新字源 改訂新版』KADOKAWA、2017年。
・近松門左衛門『国性爺合戦』1715年。
・Cambridge University Press, Cambridge Dictionary.


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