【ことわざ】
皮引けば身が付く
【読み方】
かわひけばみがつく
【意味】
関係がきわめて密接なものは、一方に何かが起こると、もう一方にも直接影響が及ぶというたとえ。


【英語】
・inextricably linked.(切り離せないほど結びついている)
【類義語】
・表裏一体(ひょうりいったい)
・車の両輪(くるまのりょうりん)
・魚と水(うおとみず)
【対義語】
・縁もゆかりもない(えんもゆかりもない)
「皮引けば身が付く」の語源・由来
「皮引けば身が付く」は、人や物事のつながりの深さを、皮と身の関係にたとえたことわざです。皮と身は、体の表面とその内側にある肉として、ぴったり接しているものです。
「皮」は、体や物の表面をおおうものを指します。漢字の成り立ちとしては、動物のかわを手ではぐ形にかたどったものとされ、表面をおおう「かわ」の意味で使われるようになりました。
「身」は、人や動物の体を表すほか、骨や皮に対して肉を指す言葉でもあります。このことわざの「身」は、皮の下にある肉を思い浮かべると、意味が分かりやすくなります。
「付く」は、あるものが他のものと離れない状態になること、または表面に密着することを表します。そのため「身が付く」は、皮を引いたとき、内側の身まで一緒についてくる様子を表しています。
もとの形としては、「皮を引けば身が付く」という言い方がよく知られています。これは、皮を引っ張れば肉もそれに伴うという実際の体の構造をもとに、二つのものの関係がきわめて密接であることを表したものです。
同じ考えを表す言い方に、「皮を引けば身が上がる」があります。こちらは、皮を引っ張ると肉も同時に引っ張り上げられるという意味から、皮と肉のように密接なものは互いに影響しやすいことをいう表現です。
また、「皮引けば身が痛い」という形もあります。こちらは、一方に何かが起これば、もう一方にもすぐ影響が及ぶことを、皮膚を引けばその下の肉も引っ張られて痛むことにたとえています。
これらの言い方では、「皮」と「身」が別々のものとして扱われながら、実際には簡単に切り離せないものとして描かれています。表面だけを動かしたつもりでも、内側まで動いてしまうところに、このことわざの比喩の力があります。
現在では、親子、友人、会社と取引先、学校と地域など、片方の変化がもう片方に及ぶ関係をいうときに使われます。ただ仲がよいというだけでなく、一方の出来事が他方にも直接響くほど結びつきが深い、という意味をもつことわざです。
「皮引けば身が付く」の使い方




「皮引けば身が付く」の例文
- 商店街の店が一つ減ると客の流れも変わり、皮引けば身が付くように周りの店にも影響が出る。
- 兄が風邪をひくと家族全員の予定が変わり、皮引けば身が付くという言葉を実感した。
- 会社と取引先は皮引けば身が付く関係にあり、片方の失敗がもう片方の信用にも関わる。
- 学校と地域は皮引けば身が付くものだから、行事の変更は近所の店や家庭にも伝える必要がある。
- 友人同士の仲が悪くなると班全体の空気まで重くなり、皮引けば身が付く結果になった。
- 農家の収穫量が減れば食堂の仕入れにも響くので、皮引けば身が付く関係といえる。
主な参考文献
・松村明監修、小学館国語辞典編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2006年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・小川環樹・西田太一郎・赤塚忠ほか編『角川新字源 改訂新版』KADOKAWA、2017年。
・Oxford University Press『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』Oxford University Press.























