「古人の糟粕」の意味(語源由来・出典・故事・類義語)
【ことわざ】
古人の糟粕
【読み方】
こじんのそうはく
【意味】
言葉や書物では、聖人の神髄を伝えることはできない。
本の中の言葉は、全部が全部、真実やないってこと。酒のいい部分を取ったら残るかすみたいなもんやな。でも、そのかすにも意味や価値があることを忘れちゃあかんねんな。
【語源・由来】
言葉や書物は残りかすに過ぎない意から。
【出典】
「荘子」
【故事】
中国、斉の国の桓公が読書をしていると、車輪づくりをしていた男が「殿様がお読みになっているのは、どんな本ですか」と尋ねた。桓公は「聖人の言葉が書かれた本だ」と答えた。すると男がまた「その聖人は今生きておられますか」と尋ねたので「いや、もう亡くなられた人だ」と答えると「それでは殿様がお読みになっているのは、昔の人が残したかすのようなものですね」といったという故事から。
【類義語】
・糟魄を嘗める
「古人の糟粕」の解説
「古人の糟粕」という言葉は、「荘子」っていう古い本から来ているんだよ。「糟粕」っていうのは、酒を作るときに出る残りかすのことを指しているんだ。これを使って、すごく賢い人や聖人が言ったことや書いた文章のことを言っているんだよ。
考えてみて、酒を作るときに、最もおいしい部分は酒になるけど、その残りの部分が「糟粕」だよね。この言葉を使って、聖人の言葉や考えも、全部の意味や価値を言葉だけで伝えるのは難しいってことを示しているんだ。言葉や文章に残されたものは、全部の価値や意味を持っているわけではなく、まるで酒かすのように一部しか伝えられないってこと。
だから、「古人の糟粕」っていうのは、聖人の大切な考えや教えも、言葉や文章だけでは完全には伝わらない、という意味を持っているんだよ。本当の意味や価値を知りたいなら、もっと深く考えたり、学んだりする必要があるんだね。
「古人の糟粕」の使い方
「古人の糟粕」の例文
- いちいち武将の名言を引用してくる理屈っぽい人がいるが、所詮古人の糟粕だし本当に本人が言ったのかもわからない。
- お経は仏陀の教えを集めたものだから、つまりは古人の糟粕だ。何度読経しても仏陀が本当に言いたかったことは伝えられない。
- 古人の糟粕というが、聖典では真髄が伝わらないように漫画の神髄も作者にしか分からない。考察しても無駄だ。
- 健太くんは聖書を後生大事にしているが、古人の糟粕を大事にすることが信仰といえるのだろうか。
- 死海文書が発見され話題になったが、今世に出ている聖書と死海文書のどちらが真実かはわからないし、どちらも所詮古人の糟粕だ。