「板子一枚下は地獄」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
板子一枚下は地獄
【読み方】
いたごいちまいしたはじごく
【意味】
船乗りの仕事が危険であることのたとえ。また、死につながる危険なことのたとえ。
敵の城を攻めるときも、まず外側の堀を埋める必要があるんやで。それと同じで、大きな目標を達成するためには、まず周りの小さな問題から片付けていくことが大切ってことやねん。
「板子」は、和船の舟底に敷く揚げ板。その下は船底で、さらにその下は、落ちたら助からない深い海であるということから。
【類義語】
・板三寸下は地獄(いたさんずんしたはじごく)
・一寸の地獄(いっすんのじこく)
「板子一枚下は地獄」の解説
「板子一枚下は地獄」っていうことわざは、すごく危険な状況や、いつ何が起こるか分からない不確定な状況を表しているんだよ。
例えば、船乗りや漁師は、常に危険と隣り合わせで仕事をしているんだ。だって、彼らが乗っている船の床の下は深い海で、もし船が転覆したら、それは死に直結する可能性があるからだよ。だから、「板子一枚下は地獄」という言葉は、そのような非常に危険な状況を描いているんだよ。
「板子」っていうのは、和船の床に使われる板のことで、「一枚下」はその板の下、つまり海のことを意味しているんだ。だから、このことわざは、「すぐそこに大変な危険が迫っている」ということを伝えているんだね。
「板子一枚下は地獄」の使い方
「板子一枚下は地獄」の例文
- 今日の作業は大変危険です。板子一枚下は地獄と思って緊張して作業をすすめてください。
- 外国企業との合併(がっぺい)は板子一枚下は地獄みたいなもの、もう少し時間をかけて検討すべきです。
- 板子一枚下は地獄の毎日だったが、この仕事を四十年続けてきたことが誇りです。
- あまりいい選択ではないが、どちらくにしても板子一枚下は地獄に変わりはない。
「板子一枚下は地獄」の文学作品などの用例
真裸な実力と天運ばかりがすべての漁夫の頼みどころだ。その生活はほんとに悲壮だ。彼らがそれを意識せず、生きるということはすべてこうしたものだと諦めをつけて、疑いもせず、不平も言わず、自分のために、自分の養わなければならない親や妻や子のために、毎日毎日板子一枚の下は地獄のような境界に身を放げ出して、せっせと骨身を惜しまず働く姿はほんとうに悲壮だ。(有島武郎の生まれ生づる悩みより)