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【親馬鹿子馬鹿】の意味と使い方や例文!語源由来は?(対義語)

親馬鹿子馬鹿

【ことわざ】
親馬鹿子馬鹿

【読み方】
おやばかこばか

【意味】
親はわが子をかわいがりすぎて甘やかし、子はその愛情に甘えて愚かな行いをするということ。

ことわざ博士
親の愛情が行きすぎることで、親の判断が曇り、子も自分の行いを改めなくなる関係を表すよ。
助手ねこ
親が子の失敗を何度もかばい、子も助けてもらうことを当たり前だと思っている場面などに用いるニャン。

【対義語】
・可愛い子には旅をさせよ(かわいいこにはたびをさせよ)

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「親馬鹿子馬鹿」の語源・由来

ことわざを深掘り

「親馬鹿子馬鹿」は、「親馬鹿」と「子馬鹿」を並べ、甘やかす親と、その愛情に甘える子の両方を戒めたことわざです。「親馬鹿」は、わが子を愛するあまり、実際以上に高く評価したり、子のために他人から愚かに見える行動をしたりする親を指します。「子馬鹿」は、独立した語として説明するというよりも、このことわざの中で、親の甘やかしに慣れ、愚かな行いをする子を表しています。

「親馬鹿」という言葉には、江戸時代中期の古い用例があります。『鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)』(1731年・江戸時代中期、文耕堂・長谷川千四合作)の第三段に、「子の言ふ事を聞入れるは親馬鹿と言ふもの」とあります。子の言うことを無条件に受け入れる親を「親馬鹿」と呼んでおり、子への愛情によって冷静な判断を失うという、現在にも通じる意味が、すでに表れています。

『鬼一法眼三略巻』は、享保16年(1731)に大坂の竹本座で初演された、五段構成の人形浄瑠璃です。作品の内題には、文耕堂と長谷川千四の名が記されており、現在に伝わる本文からも、「親馬鹿」という言葉が当時の芝居のせりふに使われていたことが分かります。

これと近い考え方を表す言葉として、「親の欲目」も江戸時代から使われています。『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』(1748年・江戸時代中期、二世竹田出雲・三好松洛・並木千柳合作)の九段目には、「親の欲目か知らね共」という用例があります。これは、わが子がかわいいため、実際以上によく見てしまう親の見方を表す言葉です。

ただし、「親の欲目」が、主に親の見方の偏りを述べるのに対し、「親馬鹿子馬鹿」は、親の態度が子の行動にまで影響するところを表します。親が何でも許してしまうため、子は失敗しても反省せず、困れば、また親が助けてくれると思うようになります。このような親と子の間に生まれる悪い循環を、一続きの短い言葉にしたものです。

「親馬鹿」には1731年の古例がありますが、「親馬鹿子馬鹿」という一続きの形の初出年代は断定できません。言葉の形から見ると、以前から使われていた「親馬鹿」の後ろに「子馬鹿」を置き、親だけでなく、子の側にも問題があることを示した表現です。「親」と「子」を対にし、「馬鹿」を繰り返すことで、親子双方への批判が、調子よく、覚えやすく伝わります。

昭和56年(1981)には、この言葉を題名にした連載が始まり、昭和58年(1983)には、和田唱と和田誠の共著『親馬鹿子馬鹿』として刊行されました。この題名に使われていることからも、昭和後期には、親と子を組み合わせた言い回しとして、広く意味が通じていたことがうかがえます。

現在の「親馬鹿子馬鹿」は、親がわが子を大切に思うこと自体を非難する言葉ではありません。親が子の欠点や過ちを正しく見ずに甘やかし、子も親の愛情を当てにして、愚かな行いを改めない場合に使います。愛情には、相手の誤りをそのまま許すだけでなく、必要なときには自分で責任を取らせる厳しさも必要だと戒めることわざです。

「親馬鹿子馬鹿」の使い方

健太
弟が何度も宿題を忘れるのに、お母さんが毎回先生へ言い訳しているんだ。
ともこ
それで弟くんは、自分で忘れないように気をつけているの?
健太
ううん。またお母さんが何とかしてくれるって平気な顔さ。これじゃ親馬鹿子馬鹿だよ……。
ともこ
かわいがるだけでなく、自分の失敗は自分で直させることも大切だね!
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「親馬鹿子馬鹿」の例文

例文
  • 子どもが問題を起こすたびに親が責任を肩代わりし、子どもも反省しないのでは、親馬鹿子馬鹿というものだ。
  • 息子の無断欠席を学校のせいにし、本人も謝ろうとしない親子を見て、周囲は親馬鹿子馬鹿だとあきれた。
  • 娘の浪費を何度も親が補い、娘も当然のように金を求める関係は、まさに親馬鹿子馬鹿だ。
  • 選手である子の反則を親がかばい、子も自分の非を認めない姿は、親馬鹿子馬鹿の典型だった。
  • 社員の失敗を社長である父がもみ消し、息子も同じ過ちを繰り返すなら、親馬鹿子馬鹿と批判されても仕方がない。
  • 親が何でも先回りして世話をし、子が努力しなくなれば、親馬鹿子馬鹿に陥りかねない。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・文耕堂・長谷川千四『鬼一法眼三略巻』1731年。
・二世竹田出雲・三好松洛・並木千柳『仮名手本忠臣蔵』1748年。
・和田唱・和田誠『親馬鹿子馬鹿』講談社、1983年。





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