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【男は敷居を跨げば七人の敵あり】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語)

男は敷居を跨げば七人の敵あり

【ことわざ】
男は敷居を跨げば七人の敵あり

【読み方】
おとこはしきいをまたげばしちにんのてきあり

【意味】
男が家の外に出て社会で活動すれば、多くの競争相手や敵に出会い、さまざまな苦労があるということ。

ことわざ博士
「七人」は実際の人数ではなく、多くの相手やさまざまな敵を表す象徴的な数だよ。
助手ねこ
社会へ出て働く人に、油断せず、困難に備える心構えを促す場面で用いるニャン。

【類義語】
・男子家を出ずれば七人の敵あり(だんしいえをいずればしちにんのてきあり)

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「男は敷居を跨げば七人の敵あり」の語源・由来

ことわざを深掘り

「男は敷居を跨げば七人の敵あり」は、家の内と外との境にある敷居をまたぐ動作によって、家庭から厳しい世間へ踏み出すことを表したことわざです。「敷居」は、部屋や玄関などの境に敷かれた横木を指し、ここでは、安心できる家の中と、多くの人が活動する外の社会との境目を象徴しています。

「七人」の「七」は、正確に七人いるという意味ではありません。昔のことわざでは、七という数を、数や種類の多さを印象づけるために用いることがあります。この表現でも、競争相手、反対者、仕事を妨げる者など、外の世界にはどのような敵がいるか分からないという意味を表しています。

現在のことわざにつながる古い用例は、人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)の『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』(1749年・江戸時代中期、竹田出雲・三好松洛・並木千柳作)第四段に出てきます。この作品は、寛延2年7月に大坂の竹本座で初演された、全九段の世話物です。

その古い本文には、「男は閾を踏出すと、七人の敵がある」とあります。「閾」は現在の「敷居」に当たり、「跨げば」ではなく「踏出すと」という言い方を用いていますが、家から一歩外へ出れば多くの敵に出会うという意味は、現在のことわざと同じです。

この一節の前には、けんかは自分から求めなくても降りかかってくるものだ、という内容が置かれています。第四段では、けんかを繰り返す放駒長吉(はなれごまちょうきち)を、姉のお関や周囲の人々が立ち直らせようとします。そのような場面でこのことわざを用いることにより、世間には争いのきっかけが多いからこそ、自ら慎み、軽率な行動を避けなければならないという教えが表されています。

この段階では、「男は閾を踏出すと七人の敵がある」という、やや長い文章に近い形でした。後に、家の境を越える様子をよりはっきりと示す「閾を跨げば」という形が使われ、さらに「閾」を、一般になじみ深い表記である「敷居」に改めた「男は敷居を跨げば七人の敵あり」が定着していきました。「男は外へ出れば七人の敵がある」という別の形もあります。

幕末の歌舞伎『曾我綉侠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)』(1864年・江戸時代末期、河竹黙阿弥作)にも、「閾を跨げば七人の、敵のある」という言い回しが出てきます。この作品は元治元年2月に江戸の市村座で初演され、侠客(きょうかく)の御所五郎蔵と星影土右衛門が対立する場面で、もともと多くの敵がいるうえに、自分も新たな敵として加わるという意味で用いられています。

昭和26年の岸田國士『日本人とは?』には、「男子外にいずれば七人の敵あり」という形が出てきます。ここでは、人を簡単に信用せず、油断すれば付け込まれると教える、昔からの言葉の一例として取り上げられています。江戸時代から近代まで、表記や言い回しを少しずつ変えながら、外の社会に対する警戒を促す表現として受け継がれてきたことが分かります。

このことわざの「敵」は、必ずしも憎み合う相手だけを指しません。仕事上の競争相手、自分の考えに反対する人、思いがけない問題や誘惑など、目的を果たすうえで向き合わなければならないものを広く表します。そのため、外の世界を恐れて閉じこもることを勧める言葉ではなく、世間には困難が多いと心得て、用心と覚悟をもって行動するよう戒めることわざです。

「男は敷居を跨げば七人の敵あり」の使い方

健太
明日からのサッカーのクラブチームの遠征、すごく楽しみだけど、他の地域の強い選手がたくさん集まるから少し緊張するな。
ともこ
そうだね、新しい環境に行くときは、どんなライバルがいるか分からないから油断できないよね。
健太
まさに男は敷居を跨げば七人の敵ありだね、気を引き締めて全力を尽くすよ!
ともこ
その意気込みなら大丈夫、しっかり準備をして遠征で最高のプレーをしてきてね!
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「男は敷居を跨げば七人の敵あり」の例文

例文
  • 父は、男は敷居を跨げば七人の敵ありと心得て、重要な商談の準備を入念に行った。
  • 男は敷居を跨げば七人の敵ありというように、責任ある立場に就けば反対する者も現れる。
  • 新しい会社を興した兄は、男は敷居を跨げば七人の敵ありを身をもって知った。
  • 祖父は男は敷居を跨げば七人の敵ありと言い、世間では軽率な言動を慎むよう孫に教えた。
  • その時代小説では、男は敷居を跨げば七人の敵ありという覚悟で、主人公が奉公へ旅立った。
  • 男は敷居を跨げば七人の敵ありというが、現代では性別を問わず、社会で活動する人にはさまざまな困難が待っている。

主な参考文献

・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』全3巻、小学館、2005〜2006年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・竹田出雲・三好松洛・並木千柳『双蝶々曲輪日記』1749年。
・河竹黙阿弥『曾我綉侠御所染』1864年。
・岸田國士『日本人とは?』目黒書店、1951年。





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