「会稽の恥」の意味(故事・類義語)
【ことわざ】
会稽の恥
【読み方】
かいけいのはじ
【意味】
戦いや勝負ごとに負け、恥や屈辱を受けること。また、己の名誉に対する侮辱を受けること。
でも、それをずっと引きずってるだけじゃあかんで。そんな経験から学ぶこともあるやろうし、次に活かすための糧にするんや。失敗は成功の元って言うもんな。ちゃんと向き合って、未来に生かすんやで。
【故事】
中国の故事であり、会稽の恥とは対になる言葉である。臥薪嘗胆とは、越の王・勾践が呉の王・夫差の父にあたる前王・闔盧(こうりょ)との戦いに勝利したことで、夫差が父の敵を討つため毎晩薪の上で寝起きをすることで苦行に耐えながらその苦しみを忘れないようにしたとされている。その結果、夫差は勾践を打ちのめし、勾践は会稽の恥を受けた。
【類義語】
・臥薪嘗胆
「会稽の恥」の解説
「会稽の恥」の元の話は、昔の中国の王で、越の国の王の勾践(こうせん)についてだよ。彼はある時、敵の国、呉の国との戦争に負けてしまったんだ。そこで彼は、会稽山(かいけいざん)に逃げて、とても恥ずかしい思いをした。
でも彼は、ただ逃げるだけじゃなくて、敵の王、夫差(ふさ)の家臣になるという約束をしたことで、なんとか生き延びることができた。このことが彼にとっては、とても大きな恥だったんだ。
後に勾践は自分の国、越に帰ることができた。そして、その恥を忘れないために、彼は動物の胆(きも)をなめることで、その恥をいつも思い出したんだ。それは彼が、いつか呉の王に復讐するためのモチベーションにもなった。
だから「会稽の恥」という言葉は、大きな恥を忘れずに、それを力に変えるという意味を持つようになったんだよ。
「会稽の恥」の使い方
「会稽の恥」の例文
- 今まで受けた会稽の恥を拭うべく、これから死ぬ気で頑張ろう。
- まさか後輩から会稽の恥を受けるとは思わなかった。
- 練習戦で他校に負け会稽の恥を受けたが、次の試合で挽回するべくみんなで頑張ろう!
- これまで血のにじむ様な努力をしたのも全て、あの時受けた会稽の恥を雪ぐためである。
- 「会稽の恥を晴らしに来た!」と、この間将棋の試合で負けた相手がやって来た。
「会稽の恥」の文学作品などの用例
父の時国は夜討ちの為に深い傷をうけて死に瀕する時、勢至丸に向って云うことには、お前はこのことから会稽の恥をおもい敵人を怨むようなことがあってはならぬ。これというのも偏に先きの世の宿業である。若し怨恨を結ぶ時にはそのあだというものは幾世かけて尽きるということのないものだ。(中里介山の法然行伝より)