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「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の意味とは(出典・類義語・対義語・故事)
【ことわざ】
虎穴に入らずんば虎子を得ず
【読み方】
こけつにいらずんばこじをえず
【意味】
虎の子を捕らえるには虎のいる洞穴に入らなければならないように、危険を冒さなければ大きな利益や成功は得られないということ。
【出典】
後漢書
【類義語】
・危ない所に登らねば熟柿は食えぬ
・危ない橋も一度は渡れ
・枝先に行かねば熟柿は食えぬ
【対義語】
・開いた口へ団子
・開いた口へ牡丹餅
・危ない事は怪我のうち
・石橋を叩いて渡る
・命あっての物種
・君子危うきに近寄らず
・賢人は危きを見ず
・聖人は危きに寄らず
・棚から牡丹餅
・命を知る者は巌牆の下に立たず
【故事】
漢かんの国の武将の班超はんちょうが軍を率いて西域せいいきに送られた。西域の国では手厚く接待されていた のに、ある日を境に冷たくされるようになった。調べてみると、漢の国の敵である北方の匈奴きょうどの国の使者が来ているためとわかった。班超は、「虎の穴に入らなければ、虎の子をとらえることはでない。」といって部下を励まし、匈奴の軍の中に突撃をし、全滅させたことから、この語ができた。(後漢書)
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の解説
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の由来は、古代中国の武将、班超の話から来ているんだよ。
班超は、漢の国から西域に軍を送り、現地で手厚く接待されていた。だけど、ある日突然冷たくされるようになったんだ。それで調べてみると、北方の匈奴(敵国)の使者が来ていたからだったんだよ。
この状況に対して、班超は部下に対して「虎の穴に入らなければ、虎の子をとらえることはできない」と言って励ました。そして、彼は部下を率いて匈奴の軍に突撃をかけ、敵を全滅させたんだ。
この班超の話から、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という言葉が生まれ、それは「大きな危険を冒さなければ、大きな成功は得られない」っていう意味で使われるようになったんだよ。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の使い方
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の例文
- 虎穴に入らずんば虎子を得ずっていうように、潜入捜査をしないと事実はわからない。
- 最初から秘密があるとにらんで、虎穴に入らずんば虎子を得ずのごとく、娘と仲良くなってこの家の中に入り込んだんだろう?
- どんな分野でも立派な業績を上げたり大きな貢献をした人物には、虎穴に入らずんば虎子を得ずという考えの人が多い。
- 虎穴に入らずんば虎子を得ず、危険を承知でやってみるしかない。
- 虎穴に入らずんば虎子を得ずっていうだろう?守りの姿勢じゃ何も手に入らないぞ。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の文学作品などの用例
「古より、虎穴に入らずんば虎児を得ずといわれている。身を捨ててこそ、手柄も高名もあがる。息ついてはならぬ。者ども進めッ」と、みずから真ッ先に立って鼓舞した。(吉川英治の三国志より)
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を英語で言うと?
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Great profits, great risks.
- 直訳:大きい利益を上げるには大きいリスクがある。
The more danger, the more honor.
- 直訳:危険が多ければ名誉も多い。
- 意味:危険を冒さなければ、大きな成功は得られない。
- 用語:honor:賞賛、栄誉
Nothing venture, nothing have.
- 直訳:何の冒険もしないなら、何も得られない。
- 意味:危険を冒さなければ、大きな成功は得られない。
- 用語:venture:危険を冒す / gain:利益を得る
No pain, no gain.
- 直訳:痛みなくして得るものなし。
- 意味:危険を冒さなければ、大きな成功は得られない。
- 用語:pain:苦痛、痛み / gain:利益、増加
No risk, no reward.
- 直訳:リスクのない報酬はない。
- 意味:危険を冒さなければ、大きな成功は得られない。
- 用語:reward:報酬、褒美
Fortune favors the brave.
- 直訳:幸運は勇者に味方する。
- 意味:危険を冒さなければ、大きな成功は得られない。
- 用語:fortune:幸運、運 / brave:勇者、勇敢な
もし君が宝物を見つけたいなら、そのためには危険な場所にも入らないといけないんだ。